44. 迅悠一と「開戦」 ページ4
何でこの子は、その乙女思考の末にこんな珍事を招いてしまのだ。
一体どの時点で、ババアで捕らえてエスクードで拘束する選択肢が生まれる？
「あとは、散々読み負けてきた事への腹いせです。」
手のひらに隠したカンペをヒラヒラと見せびらかす折紙Aは、先ほどまでの愛らしいさを微塵も感じない。
実は、特殊なサイコパスか何かなんじゃないだろうか。
嵐山、悪いことは言わない。やめておけ。
この子は危険だ。
目の前の少女にお熱な友人に警鐘を鳴らす。
「にしても今回は随分焦ってましたね。」
読み逃しですか？ と続ける彼女にどこにどうしようもない怒りが湧く。
臨時休業中の店には誰もいないし、三門市外の老人ホームのおばあさん何て見たことがない。
おれの未来視に一切触れない今回の作戦はもはや完璧と言っていいほどだった。
「おれの未来予知は一度会った人の未来しか見えないからな。
今回の場合だと俺が何かに囲まれるところまでは分かっても、その何かがお婆ちゃんだとは分からなかった。」
「なるほど……。」
彼女が口元に手を当て、そう呟いた時。
大きく未来が動く。
彼女と初めて会った時に見えてしまった最悪の未来は、何年か後に起こる確定的な未来だった。
それがたった今揺らいだのだ。
また、彼女が書き換えたのか……？
ここで１つの可能性に行き着いた。
この未来の書き換わりは、彼女の成長に起因しているのではないか。
折紙Aは迅悠一と戦い、未来予知について知識を得る度にそれを超えようと頭を使う。
そして成長を遂げ、本当に未来を書き換える。
これまでは未来予知の欠陥には大きく触れてこなかった。
しかし、今回彼女は未来予知の封じ方を学んでしまった。
そのため、これまでとは比べ物にならない未来の変わり方をしたのではないか。
それはつまり、未来予知について知識を与えれば与えるほど彼女は最悪の未来を打ち壊す。
しかし、それは予知を貫通する嫌がらせが爆発的に増えることになるのだ。
これは、俺とAの情報戦だ。
いかに彼女の悪戯を減らし、最悪の未来を掻き消すか――……
――予測は予知に勝るのか。第2章、開幕。
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
