66. やんちゃなこと ページ29
使いたくないモノと使えないモノは別である。
例えば、個人的な使用は絶対にしなくても、チームの誰かになるためなら、少しくらい嫌なことだって出来るだろう。
「攻撃手ランキング3位昇格おめでとう。
今回は普通にラインで呼んでくれて安心したよ。」
「なかな皮肉上手ですね。
老婆の次は幼女で捕獲しようかと思ったのですが、流石に絵面がまずそうだったので控えました。」
訂正、少しじゃなくかなり嫌なことだ。
以前、連絡先を押し付けられた時は、まさかこんな形で使う日が来るとは思わなかった。
こんなに需要のないものも珍しいと思いながら、その名前を削除しないでいたのは一種の奇跡だろう。
「そういう気遣いはできたんだね……。」
「いいえ、嵐山さんの友人を犯罪者にする訳にはいかなかっただけです。」
そんなことだろうと思ったよ。と呆れる迅。
「そういえば、太刀川さんと隊組んだってホント？」
太刀川さんとの決闘及びチーム結成はつい昨日の事だ。
何故知っているのかと疑問に思ったが、すぐに太刀川さんとこの人が知り合いであったことを思い出す。
「……どこまで聞きましたか？」
「決闘挑まれて引き分けたって言ってたよ。
あと、Aちゃんが何か特殊な技使ったって言ってけど詳しくは話してもらえなかったな。」
太刀川さんには、決闘での詳しい内容を口外しないよう言ってある。
折角ログを残さずに強い人の対戦データが取れたのだから、チームランク戦で当たるチームには情報漏洩させたくなかった。
裏を返せば、チームランク戦に出場できない迅悠一には別にバレても構わないという事でもある。
「アイビスを使ったんですよ。東さん仕込みの。」
「アイビス！？攻撃手3位が？」
やんちゃなことするな、と言って迅悠一は目を見開いた。
決闘前に会っていたらきっと見透かされただろうに、既に終わってしまった事柄は視ることができないのか。
「にしてもお前、東さんにわざわざ頼んだのか？
人に教えを乞うとか嫌いそうなのに。」
「ひどい言い草ですね。
私は自分の願望には忠実ですよ。
例えば、誰かさんと一緒に戦いたいとか、戦うからには勝って終わりたいとか、ね……。」
――――――――――――――
『57. 師匠』の回で連絡を入れていた相手は東さん。
東さんに狙撃を習っているのがバレると奇策にならないので、ユズルと別れた後その日のうちに修得、次の日に決闘してます。
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
