63. 決闘３ ページ26
大量のトリオンを垂れ流す太刀川は、相手を侮っていたことを思い知った。
勝てる相手には順当に勝ち、格上には順当に負ける。
まさか、格上である自分にここまで食いつき、深手を与えるとは……。
路地を利用してスパイダーと孤月のフルアタックという変則戦闘に、面白くなってきたなと旋空を起動する。
(バケモノめ……。)
自分の張り巡らせた
もう一撃入れようと刀を引いた太刀川に、そうはさせまいとエスクードを発動する。
彼の足元から生えたそれは、なかなかの勢いで太刀川を宙へ放りだした。
(決めるなら今しかない……！)
その体ごと軌道のズレた旋空を回避してAは走り出し、最後の攻撃を開始する。
太刀川はグラスホッパーを呼び出して体勢を整えながら、目を見開いた。
(
Aは孤月をその場に投げ捨てて、
太刀川の斬撃が彼女の両足を斬り落とすのと、Aの手が彼の腕を掴むのは同時だった。
腕を通じて太刀川の胸から正面に向かってエスクードが発生、既に準備された8つほどのグラスホッパーに衝突する。
エスクードの競り出てくる威力と複数のグラスホッパーの反発によって、太刀川は初撃の比ではないスピードで奥のビルへ突っ込んだ。
「これで……終わり。」
一切の油断を許さず、両足を失った折紙Aはアイビスを撃ち放つ。
――ドゴーン……！
轟音を上げる設置型のメテオラ、ギリギリで照準を合わせたアイビスが着弾したかは確認できない。
けれど、ビル一つ倒壊させるほどの広範囲攻撃と、アイビスを同時にガードするのは不可能だ。
(15分、経過……。)
タイムアップ、私は攻撃手一位と戦ってまだ戦場に残っている。
太ももから先のない両足をひと撫でして、アイビスをしまう。
勝利を確信したその時、勝敗を告げるアナウンスが鳴り響く。
＜時間切れ：両者引き分け＞
えっ？
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
