62. 決闘２ ページ25
――全ての準備は整った。
残り3分、ここからが本当の勝負だ。
時間稼ぎに使った瓦礫とグラスホッパーの合わせ技。
それが、開戦の合図だ。
私の手を離れたコンクリートは3回の屈折と加速を繰り返し、回り込むようにその男の頭蓋を狙う。
その背後から、実に12分ぶりにバッグワームを解除した折紙が奇襲をかけた。
完璧な角度計算の末に設置されたグラスホッパーは、一時的な挟み撃ちを生み出した。
瞬きよりも短い葛藤の結果、奇襲に現れたAの本体を標的にした太刀川の判断は正しい。
しかし、彼が正しい判断を下す所までがこちらの予定である。
余裕をなくし、単調になった男の一撃目を受けるのは容易い。
――ガキンッ
斬撃がお互いの剣の刀身を削る。
鍔迫り合いが起こるかと思われたその時、太刀川の体が吹っ飛ばされた。
右の孤月で太刀川の刀を釘付けにしたAは、空いた左手で彼を殴り飛ばしたのだ。
そこからの展開は早かった。
予想外の攻撃に狭い路地へ押し込まれた彼に向かって、追い討ちをかけるようメテオラが迫る。
衝撃をシールドで防いだ太刀川の元に、爆煙を抜けてソレが投げ込まれる。
(スパイダー……！？)
スパイダーば設置トラップとして使うのが普通だが、こういう事もできるのだと太刀川はその時はじめて知った。
スパイダーとは一応トリオンで構成され、外壁に突き刺さる程度の威力を持った立派なトリガーなのだ。
貫通はしなくとも、トリオン体に少し刺さる程度は造作もない。
投げ込まれたトラップは、右手に突き刺さり太刀川の利き腕と壁と縫いつける。
その際、外れたいくつかは足元に申し訳程度の障害物を発生させた。
彼が勢いをつけて腕を振れば、浅く刺さっただけのスパイダーは簡単に身体から離れる。
少しだけ足を動かし辛くなった、一瞬だけ剣をもつ腕を拘束された。
たったそれだけの効果が、上位
――ザクリッ
Aの愛刀が、太刀川の横腹を大きく抉った。
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
