42. 迅悠一と「最悪の1日」 ページ2
迅side
まずい。
非常にまずい事態になった。
「これは、おれの人生史上最悪のピンチかもしれない……。」
もっともどうしようもない未来を、どうにか回避しようとファミレスの席を立った。
そもそも何故こんな未来が訪れるんだ？
おれは今日、いつも通りに三門市の街を回っていただけだ。
それがどうしてーー……
「あら、ごめんなさい？」
手早く会計を済ましてその店を出ようとすると、考えをごとをしていたからか近くの老婆に少しだけ腕が当たってしまった。
ーーあ、しまった。
「あらぁ？あなた、迅くんじゃない？」
推定年齢65歳の老婆がそう言うのと、どうしようもない未来が確定するのは同時だった。
思えばいつも行く店がことごとく臨時休業だった。
そうか、その時点で回避しなければいけなかったのか。
数分前に入店すると同時に詰んだ迅悠一は、諦めたようにため息を吐いた。
ああ、今日は最悪の1日だ。
「まあ〜、迅くんよ。」
「あれが、迅くん？」
一斉にざわめき出す店を埋め尽くしていたババア。
絶対に知り合いではないそのババアの軍団は、老人特有の歩行スピードで徐々におれを取り囲んでいく。
虎柄の服を着た大阪風ババアから、農家の作業着をきたナチュナル"ババアまで選り取り見取りのババアが至る所から現れる。
どう考えても店の総客数よりも多いババアが何処からともなく湧いてくる。
これは、明らかに店側に協力を依頼した意図的なババア攻撃だ。
両の腕は既にババアの手中にあり、トリオン体の今、迂闊にその手を振り解けばババアの骨は砕け散るだろう。
同様の理由でこの地獄の中で動くことさえ許されない。
何故テレポーターをセットしていなかったのかと後悔し始めた時、その子は現れた。
店内を見渡す限りのババアが支配するこの異様な空間に、驚きもせずに入店してきた全ての黒幕。
その正体になんとなくそんな気がしたのだと思いながらその名を呼んだ。
「もうちょっとマシな方法があったと思うんだけど？
ーーAちゃん。」
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origamisakura(プロフ) - ばぐさん» 連日ワートリの関連ランキングに載っていらっしゃる作者様に見て貰えているとは恐縮です！綺麗な文章だなんてとんでもない。お褒めいただいて嬉しいです。コメントありがとうございます！ (2020年12月9日 0時) (
レス) id: 6da1c3afc2 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - コメント失礼します。とても綺麗な文章と素敵な展開に感動しました。更新楽しみにしています。頑張ってください！ (2020年12月8日 19時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*佐倉照* | 作成日時：2020年12月3日 7時
