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＿＿教室にて
チャイムと同時に私と先生は、ギリギリ教室までたどり着いた。
と、同時に、クラスから女子の悲鳴があがった。
それはそうだろう、なにせこの顔だ。悲鳴があがらないほうがおかしい。
それと。
私のほうにも、男子の視線を感じる。
まあ、家で言われている通り、私はきっと美少女の類に入るのだろう。
どうでもいいけれど。
それはともかくとして。
女子軍団が私の『男』にべたべた触っているのを見ると、なにかやりたくなってくる。
よし。
席を立ち、たったったと綺麗に磨かれた床を小走りでけり、女子たちのわに入った。
「ちょ、なによ！」
わの中を押し通るようにして、先生の近くまでたどりついた。
そして＿＿
「…立花？」
ぎゅっと先生に抱きついた。
しーんと教室が静まりかえる。
「私たち結婚してるの」
一瞬の沈黙の後＿＿
「え、えええええっっっ⁉」
まあ、当たり前の反応だろう。
ざわざわと教室中が騒がしくなるなか、先生がとった行動は＿＿
「もう、きみは…」
先生は、わたしを抱きしめかえした。
「や、やっぱり結婚してるのか…？」
と、うわさがながれるなか、通りかかった教頭らしき人物が教室の窓を見てぎょっとした。
そして勢いよく扉を開け、私たちの前に立った。
「ふっ、二人とも校長室まで来なさい‼」
「あなたも私とハグしたいんですか？」
「は？」
「行こうか、立花」
先生は手を差し出し、私が手を握ろうとすると、教頭がそれを遮った。
「ごほん‼行きますよ‼」
「はーい」
私は軽く返事をかえしてやった。
そのころ教室では＿＿
「なんかすごいことになっちゃったね」
「いや〜ん、憧れるー」
「あのさ」
「ん？」
「もう時間だし、帰ってもいいよな？」
「おう帰んべ帰んべー」
校長室にて＿＿
「君は教師でありながら、生徒＿＿立花莉都華さんと抱き合っていたと、間違いありませんね？」
「間違いありません」
「立花さんは、なぜそのような行為をはたらいたんですか？」
「抱きつきたかったからです」
「…そ、そうですか」
校長の質問に、たんたんと短く答える。
言い訳なんてする必要はないから。
だって＿＿
「神崎先生の処遇についてですが＿＿」
校長が言い終わる前に、先生は＿＿
「退職させていただきます」
と、短く答えた。
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作者名：aoi | 作成日時：2020年5月29日 21時
