09.予定 ページ9
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「AさんAさん」
「なぁにー」
体育館でシオンくんの整体を施していると、
暇になったのか侑が顔を覗かせた。
「今日終わったら飯行こうや」
「ごめん今日おばあちゃんのお通夜で…」
「Aさんおばあちゃん何人おるん?」
ちぇーっと唇を尖らせて、
侑は日向くんに絡みに行った。
深いため息をつくと、
シオンくんが呆れ返ったような顔で私を見ている。
「1回くらい行ってやれば?」
「……んー…」
……わからない。
侑のことは弟みたいに思ってるし、
行ったってなんの支障もないハズなんだけど。
侑だって恋愛感情はさておき、
単に私のことを慕ってくれているのは確かだ。
なのにどうしてこんなにも、気が進まないものか。
「まだアイツのこと引きずってんの?」
「ちが…、そんなんじゃないし」
シオンくんがため息まじりについた言葉に、
言葉では強がっていても胸がぎゅうっとなった。
……引きずってる…のかなぁ…。
「……もう1年も前のことだし。そもそも興味なんか____」
「何の話しとるんですかー?」
「!」
さっきまで日向くんと喋っていたはずの侑が
再び顔を覗かせて、背筋が凍った。
その日向くんはどうしたのかと目をやると、
どうやら木兎くんに取られたらしい。
「…おー、Aが元」
「も、ともとプリキュア目指してたって話!小さい頃ね!」
侑が目線を合わす為体育館の床に腰を下ろすと、
不意に近づいたその端正な顔立ちに思わず息を呑んだ。
「ふーん…」
「ち、小さい頃は皆憧れたでしょ?仮面ライダーとかさ!」
____…侑は時々、普段の姿からは考えられないくらい、
大人びた表情をする。
その瞳を見つめていると、
何か見透かされた気になって、目を逸らしてしまった。
「せやな〜俺も憧れたわ〜!」
「え、」
一瞬で尻尾が生えて、パッと笑顔になった。
その変化に私としてはたじろいでいたのだが、
侑はいつもの笑顔のまま「Aさん明日やったらどう?」
なんて聞いてくるモンだから、また拍子抜けしてしまう。
「……明日はお腹が痛くなるの」
「予知⁉」
侑が去ったことにホッと胸を撫で下ろしていると、
シオンくんが憎たらしくニヤニヤしていてこちらを見ていた。
「あれー?Aさん?」
「…うるさい、バカ」
シオンくんの腰を思いっきり押してやると、
何かの関節とシオンくんが悲鳴を上げた。
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オタク女 - ありがとうございます!私今日から二日、三日ほど用事があるのでコメントを休ませていただきます!すいません!帰ってきたら即コメントしますね!♪(^o^)/~~ (2020年11月9日 17時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - オタク女さん» メアド登録してログイン出来たら小説作るのは出来ますよ〜!(*´˘`*) (2020年11月8日 19時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
オタク女 - ですよね、、私小説の作り方知らないからなぁ(泣) (2020年11月8日 12時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - オタク女さん» 冬桜さんおはようございます〜!ゆっくりぐだぐだの日なのにすごく早起き…!偉いですね…!シオンくん原作でもあんまり出てこないですからね〜…皆に浸透してないような気はしますよね…笑 (2020年11月8日 9時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
オタク女 - おはようございます!!今日はゆっくりぐだぐだの日です!私最近シオンくんの小説あるかなーって思って探したら無かったんですよ(泣)出ているのがれんさんの作品だけでして、、シオンくんメインの小説無いかな、、、(泣) (2020年11月8日 7時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れん | 作成日時:2020年10月12日 11時