17.声 ページ17
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「今日は何?誰かと待ち合わせ?」
「あー…まぁ、うん」
「あ、彼氏?」
机に頬杖をついてニタニタと笑って言う秋ちゃんの
頬を両サイドに引っ張って、
「別に…、そんなんじゃない」
と口では言うものの、
心臓が大きく跳ねたことはもう隠しようがない。
そんな一瞬の表情の変化さえ見逃さなかったMr.器用貧乏は
頬から私の両手を外して、大きくため息をついた。
「なに、引きずってんの?前の最低男」
「……それは絶対にない」
「ならいいじゃん。男でしょ?今日来んの」
「えっ、なんでわか…っ、」
「Aちゃん分かりやすいんだよ」
思わず腰を上げると、
カフェオレの入ったカップが大きく揺れた。
予想以上に大きな音がして、何事かと覗く周囲の目が痛い。
いたたまれなくなってゆっくりと座り直す。
目を向けた人混みに、
背の高い金髪がチラついたように見えて。
______…半ば反射的に、侑が頭に浮かんだ。
「…………モテる人と付き合ったら、
苦労するのは目に見えてる」
……きっと、それが本音。
ぽつりと口をついて出た言葉が、痛む程頭に反芻する。
心臓がぎゅう、と痛くなって、
無意識に左手は胸を抑えていた。
______……だって、もうあんな惨めな思いしたくない。
侑はモテるんだもん。
顔立ちも整っているし、背も高いスポーツマン。
実際、彼を狙う女性ファンはとても多い。
「えっ、ちょ、」
______…あぁ、どうしよう、思い出したら辛い。
向かいに座る秋ちゃんが、ギョッとした顔で慌てている。
なんで私、泣いてんだろう。
おねがい、止まって。泣いたらもっと惨めでしょう。
止まれ、という意思に反して、
涙はぼろぼろと膝の上にこぼれ落ちる。
涙が止まらないことに焦って、
秋ちゃんの声がだんだん遠くなっていく。
ぐるぐるぐるぐる、思考が回る中で、
「______……Aっ、」
確かに聞いた、その声は。
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更新期間空いてしまってすみません…!
これから頑張ります…!
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オタク女 - ありがとうございます!私今日から二日、三日ほど用事があるのでコメントを休ませていただきます!すいません!帰ってきたら即コメントしますね!♪(^o^)/~~ (2020年11月9日 17時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - オタク女さん» メアド登録してログイン出来たら小説作るのは出来ますよ〜!(*´˘`*) (2020年11月8日 19時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
オタク女 - ですよね、、私小説の作り方知らないからなぁ(泣) (2020年11月8日 12時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - オタク女さん» 冬桜さんおはようございます〜!ゆっくりぐだぐだの日なのにすごく早起き…!偉いですね…!シオンくん原作でもあんまり出てこないですからね〜…皆に浸透してないような気はしますよね…笑 (2020年11月8日 9時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
オタク女 - おはようございます!!今日はゆっくりぐだぐだの日です!私最近シオンくんの小説あるかなーって思って探したら無かったんですよ(泣)出ているのがれんさんの作品だけでして、、シオンくんメインの小説無いかな、、、(泣) (2020年11月8日 7時) (レス) id: 47328f5d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れん | 作成日時:2020年10月12日 11時