17.嫌い ページ17
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バスから降りて、
ミーティングのため会議室に戻る。
その道すがら、くい、っとブラウスの袖を引っ張られた。
「ん？」
振り向くと、臣が左手をポケットに突っ込んだまま
私の顔を伺っている。
マスクをしているから、表情が読み取り辛い。
「どしたの？」
「………」
臣は何も言わず、袖を握る手に少し力が籠る。
ふと、治を思い出した。
治は何かあるとこうやって黙って私の袖を掴むの。
私はそん時は黙って一緒にいてあげるんだけど…。
……それって臣にも有効なんだろうか。
「行くぞー」とかけられた声に軽く応答する。
怒られるかなと思ったけど、いつも治にやるみたいに
数10cmも高い臣の頬を両手で包んだ。
「！」
「どしたー？」
「………お前、さ」
臣の顔が少し赤らんで、ふいと目を背けられる。
漸く、ゆっくりと口を開いた。
「俺のこと、嫌いなの」
「………は？」
「……いつまでも関西弁にならない」
「………………は？」
頬に添えた手に、臣の大きな手が重ねられる。
小さな子供のように臣が言葉を紡ぐ度、
私の目は大きく見開かれていった。
______……え、拗ねてたのって、それで…
「………稲荷崎の
「倫太郎は高校が一緒で…！私もその時は関西一色だったし…！」
「……だけど、」
「いや仲の良さとかじゃないから！むしろ臣のことは……！」
言いかけて、ハッと口をつぐむ。
______…今、いま何言おうとした？
段々と顔に熱が集まるのがわかって、
多分後の言葉に気づいた臣の手が、私の手を強く握る。
「……A、今、」
「〜〜〜〜っ何もないわ、阿保ォ！」
臣がマスクをズラして、その瞳が私を射抜いて離さない。
………カッコいい、と見惚れてしまった。
耐えきれなくなって無理やり腕を解いて
会議室に向かって走り出す。
「えっ何⁉痛っ！何で俺今どつかれたん⁉」
追いついた侑の背中に思いっきり頭突きをかまして、
そのまま侑の背中に抱きついた。
…………顔、あっつ……
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しょーゆ - 好きです。もう何十回と読んでますが毎回キュンキュンします。 (8月28日 21時) (
レス) @page23 id: 3bdb915083 (このIDを非表示/違反報告)
そらまゆ🌸🍓 - んにゃー！！！！臣くんかっこかわよい！！！！あ、すみません。コメント失礼します。主さん、このお話、最高です！！！何回も読んでも飽きないです！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page45 id: 7272f2ecda (このIDを非表示/違反報告)
葵梗花(プロフ) - れんさん» 詳細をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願い致します。 (2020年12月26日 13時) (レス) id: af0a567945 (このIDを非表示/違反報告)
葵梗花(プロフ) - れんさん» こちらの方が半年以上も遅くなってしまい申し訳ございません！！占ツクに戻ってきたのが数日前で、やっとの思いでお返事書かせて頂いております。本当に申し訳ございません。さっそくボードに行かせて頂きます。お返事はいつでも大丈夫ですので、余裕が出来た時にでも (2020年12月26日 13時) (レス) id: af0a567945 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - 星蘭さん» コメントありがとうございます！そんなこと言っていただけて嬉しいです…！また番外編も考えてみます！^_^ (2020年10月12日 22時) (レス) id: c0cfdfe5c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れん | 作成日時：2020年4月6日 22時
