Saturday ページ10
彼なら大丈夫だろうな、と思っていた私を誰か殴ってほしい。
「Aさんですね」
「は、はい」
いつもの時間に目が覚めたが、休みだし二度寝しようと起き上がると鳴り響くチャイムの音。訪ねてきたのはとても美しい女の子で、ジョングクの妹分と名乗っていた。何故私の家を、と思ったが一度送ってもらっていたな。部屋まで把握されているのはさすがに謎だけど。
「あの人の葬式へ、迎えに参りました」
「えっ」
全身の温度が抜け落ちていくような感覚がした。まさか冗談、と彼女の顔を見るも至って真剣で、うっすら涙さえ浮かんでいる。
玄関で話すのも、と家の中に入ってもらう。すると彼女は目元をこすりながら話してくれた。
「世界を救った英雄と呼ばれるようになってから、あの人は楽しそうだけどどこか抜け殻のようになっていました。慕われるのも歓声を浴びるのも悪くはないけど、楽しいわけじゃないって。でもそんな兄がある日変わったのです。一週間くらい前かな、黒い翼の糸目の神様を連れて帰ってきたのは」
彼女の言葉に引っ掛かりを覚えた。ちょうどジョングクにつきまとわれるようになった少し前だ。
「その神様、死i神だったんです。でもそれを厭わず彼にお願いして、悪魔たちに絡まれていた兄を助けてくれた人に一目惚れしたそうなんです」
「……」
「それがあなたなんです、Aさん」
「えっ？」
覚えがない。というかここ最近が濃すぎてそれ以前の記憶が薄い。額に手を当てて思い返す。……確かに、やたら悪魔に絡まれていた人を、その辺にいた優しそうな顔した死i神に声をかけて助けてもらったことはあったと思うけど、
「わりと日常茶飯事なんでしょう？」
「えっ」
「兄から聞いてます。助ける人に見返りを求めず、神様や妖精にすぐお願いして人の力になろうとするって」
「……よーく見てるんですね、あの人」
「ふふふ、はい。そんな所が好きで、そんな所が危なっかしいからと、数日観察したあと強行突破に出たんです。やめとけとは言ったのですが……たくさんご迷惑をおかけしました」
今までの私なら、彼女の言葉に皮肉たっぷりに返すところだ。だけど、
「確かにちょっとあれかな、と思う時はありましたけど……とてもまっすぐで誠実な人だと、思いましたよ」
いなくなったことで気づいたこの胸の痛みに正直でいたい。もう遅いのかもしれないけど、遺体でもいいから直接会って伝えたい。
「準備するので、少しお待ちください」
「はい、勿論」
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レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» 多くの加護を持つ英雄に対する一種の信頼のようなものだと思っていただければ…淡白すぎますけどね😂(返信遅れて申し訳ないです) (8月13日 0時) (
レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 主人公飛んでった英雄に対して淡白www (7月28日 22時) (レス) @page9 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» コメントありがとうございます！英雄様のかっこいいところもそのうちお見せできると思いますので、楽しみにしていただけると嬉しいです！ (7月26日 7時) (レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 英雄まじで可愛い！！ (7月26日 2時) (レス) @page4 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レオレ〇●〇 | 作成日時：2023年7月24日 16時
