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聞けば、「よく考えたらあなた私に好きな子を呼びに行かせてるわね。これってお願いでしょう、ね??」と時の神様に詰め寄られて、代償として肉体労働をしていたのだとか。
「英雄だとしても代償は払わなきゃなのね」
「そりゃあね。力を貸してもらってるだけだもん、僕もただの人間だし」
ただの人間。その言葉に何故だかすっごくほっとした私は
「好き」
本心を零してしまっていた。けどもう取り繕う必要もないでしょう。
「好きよ、ジョングク」
「…………は、え、ちょ、待って、えっ」
赤くなっていく頬と耳と頬を隠そうと腕をじたばたさせるのがとても愛らしくて、がら空きの体にぎゅっと抱き着いた。
「っはぅあ!?だっ、ダメだって、ボロボロだから!」
「関係ないわ。遅くなってごめんね?」
抱き着いたまま見上げると、きゅっと唇を折りたたんだ彼の顔。背伸びをして目を閉じる。
「ん」
「へっ」
「ん!」
なかなかしてくれないから抱きしめていた腕を離して、襟元を引っ張った。勢いがよすぎて歯が当たったけど、気にしないでそのまま唇を食む。
「〜〜!?」
「……ぷは。なぁにその顔」
「い、いや、展開が早すぎて頭がっ」
え、ほんと?夢じゃない?と頭を抱えながら呟く彼が可愛くて、もっと意地悪したくなっちゃう。
「夢じゃない。それにジョングクの気持ち次第じゃ展開が加速したりしなかったり……痛っつ」
嬉しくてすっかり忘れてた。
「靴擦れしてるじゃん!」
かがんで私の足に触れ、剥がれかけていた絆創膏を取ってくれた。新しめの傷だとわかったのかジョングクは聞いてくる。
「これ、今日できた?」
「うん。新しいサンダル、ジョングクに一番に見てほしかったの」
「〜〜っ、そんな嬉しいこと言われると調子に乗っちゃうよ……」
「いいんじゃない?もう私の恋人なんだし」
「うわぁあぁあああ……」
もう一人の自分と戦ってるんだろうジョングク。あぁ、ほんとに愛おしい。
うずくまった彼に手を差し伸べる。
「ねぇ、傷の手当してくれない?一人だとやりづらいの」
「え、でも」
「女の子に言わせるの?せっかく恋人になれたんだから、もっと一緒にいたい……」
「……僕、も。一緒にいたい」
「決まり」
重なった手をくいっと引くと横に並ぶようについてくる。
「ねえジョングク」
「ん?」
「週に7日よりもっと、愛してくれる?」
「勿論。嫌って言ってもダメだからね」
「うん」
ゆらゆら揺れる手。――あわよくば、離れる日が来ませんように。
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レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» 多くの加護を持つ英雄に対する一種の信頼のようなものだと思っていただければ…淡白すぎますけどね😂(返信遅れて申し訳ないです) (8月13日 0時) (レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 主人公飛んでった英雄に対して淡白www (7月28日 22時) (レス) @page9 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» コメントありがとうございます!英雄様のかっこいいところもそのうちお見せできると思いますので、楽しみにしていただけると嬉しいです! (7月26日 7時) (レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 英雄まじで可愛い!! (7月26日 2時) (レス) @page4 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レオレ〇●〇 | 作成日時:2023年7月24日 16時