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「ちょっと！お会計してないのに、きゃ……！！」
凄まじい揺れのせいだろう、ヒビの入った壁がぐしゃあっと崩れ土埃が舞う。目の前が見えなくなるけど、手を掴んだ大きな手が行先を知らせてくれる。乙女心を持つ者なら誰もが一度は夢に見るシチュエーションだ。相手は英雄様だし。私からしたら突如愛の告白をかましてきた変質者だけど。
お店が入ったホテルを出ると、すぐに手を離してくれた。ホテルを見上げると揺れは収まったらしい。何か上からぱらぱら砂が降ってきてるから耐久力は下がってるだろうけど……。
「行きつけだったのに！なんて言えばいいのよ……」
「多分犯人はノームだ……あのイタズラ好きめ」
「土の妖精と友達なの？」
「友達というか、加護をもらってる。まぁでも友達みたいなもんか。あとでガツンと言っておくよ。それと、夕食を邪魔してしまったお詫びにお会計は僕が持つ。……あーもう、あいつ僕に構われたがってよくああいうイタズラするんだ……お店の補修もさせよう」
「……すごいわね英雄様って」
「……ねぇ、それ」
先程までとは違う低い声に驚いて彼を見ると、じとっと目を細めて私を見つめていた。
「やめて、英雄様って呼び方」
「何で。私は一般人よ？あなたみたいな素敵な力も持ってない、平々凡々な人間なのに」
「関係ない」
じゃり、と靴裏の擦れる音がして距離が縮まる。だけど予想とは違って彼はたった一歩踏み出しただけだった。
「僕も人間だよ。惚れた人とお付き合いしたいって思うのはいけないことかな？」
「そ、それは違うと思うけど」
「じゃあいいじゃん。僕は貴方に惚れました。付き合ってください」
「だ、だからそれは無理だって」
「じゃあせめて名前だけ！」
「言ったら恋の妖精とかに教えてまじないかけてもらったりするでしょ！」
「しない！そんな不正しないよ！！」
険しい顔をしてまん丸の目で私を見つめてくるジョングク。
「正々堂々、真正面から惚れさせるよ」
その、あまりに真剣な顔をしていたから。
「……A」
「えっ」
「Aっていうの、私の名前。ほらこれで満足でしょ！」
じわりと熱くなってきた顔を見られないうちに踵を返して家へと急いだ。
「名前、教えてくれた……えっ脈アリってことだよね！？あと少しでOKもらえるってことだよね！やったやったぁ！！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ
「何か英雄様が跳ねてる」
「美味しいものでも食べたのかな」
「かわええなぁ」
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レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» 多くの加護を持つ英雄に対する一種の信頼のようなものだと思っていただければ…淡白すぎますけどね😂(返信遅れて申し訳ないです) (8月13日 0時) (
レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 主人公飛んでった英雄に対して淡白www (7月28日 22時) (レス) @page9 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
レオレ〇●〇(プロフ) - 鹿さん» コメントありがとうございます！英雄様のかっこいいところもそのうちお見せできると思いますので、楽しみにしていただけると嬉しいです！ (7月26日 7時) (レス) id: fcfeecadee (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 英雄まじで可愛い！！ (7月26日 2時) (レス) @page4 id: ff43409288 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レオレ〇●〇 | 作成日時：2023年7月24日 16時
