ばんたん短編集 (ページ25)

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💛今夜の相手お前かよ！ページ25

※オフィスパロ

「はい、はい！ありがとうございます、楽しませていただきます！それでは失礼いたします！…………ふぅ」

電話が切れたのを確認してから、隣にいる男を睨む。

「何でよりによってあんたなの……」
「は？こっちの台詞だわ」

片眉を上げて私を睨んでくるのは同期のジミン。
顔面よくて愛嬌あって仕事もできる。ただ欠点をあげるとすれば女好きなところだけど、他のステータスが良すぎて見逃されているところはある。解せない。

「帰ったらパーティだったのに」
「大規模合コンの間違いでしょ」
「違ぇわ。それお前の方だろ」
「はぁー！？私はただ他社の友達に呼ばれてただけですー！」
「友達ぃ？セフ」
「こらぁ！」

殴るフリして拳を掲げたらきゃーなんてふざけた悲鳴をあげる。こういうのに女は騙されてるのよね。

今、私とジミンは一流ホテルのスイートルームにいる。
日曜日に先方がどうしてもというので次のイベントの打ち合わせに行ったのだ。次はいつかわからないくらい貴重な日曜日のクリスマスイブだというのに。ナムジュン部長が韓牛奢るって言わなきゃ引き受けなかった。
打ち合わせは無事に終わったけど、帰りにアホみたいな大雪が降ってきて。過去最大なんてふざけた単語を知らせるニュース、当然電車も止まる。乗り継ぎ含めて一時間半もかけてきたのに。
そしたら先方がスイートルームを空けてくれた。元々社長さんが夫婦で泊まる予定だったらしい。宿泊代もこちら持ちでいいからと言って下さったので、喜んで泊まることにしたのだ。
唯一嫌なのはジミンと泊まらなければいけない、というところだけど。

「商品開発部のユンギさんだったら喜んだのになぁ」
「悪かったな」

この大雪でキャンセルが連発しているのかもしれない。ルームサービスがすぐに来る。
食事代は自分持ち――のつもりだったけど、ジミンが出してくれると言ってくれた。なので気兼ねなく注文している。

「さっきのお酒、おかわりお願いします」
「おいっそれ一番高い……まぁいいけどっ」
「フォアグラだってー！これも頼むね」
「ふぉ…………あーもう！！いいよ！！何でも頼め！！」

やけになってぐいっと酒を煽ったジミン。口元を乱暴に拭う仕草に悔しいがどきっとしちゃう。

「案外男前なのね、ジミンって」
「急に何。え、毒盛った？」

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