ばんたん短編集 (ページ3)

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💛ぬいを拾った善良なおなごの話ページ3

※BTSがアイドルゲームのキャラクターな世界線
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今日も今日とて残業デイ。ブラックの領域には入らないんだろうけど、ほぼ毎日2時間残業はキッツいものがある。

「帰ってご飯作って食べて風呂入ったらもう日付変わるじゃん……」

また積ん読してる本を消化できないのか……と俯きがちにとぼとぼ歩いていると、道の端に黄色いまるっとしたものが転がっていることに気づく。
何だろうかと拾い上げてみると金髪のキャラクターの手乗りサイズのぬいぐるみだった。黒地に黄色い襟のスーツを着ている。穏やかそうな表情で微笑んでるけどところどころ土か何かで汚れていた。

「誰か落としちゃったのかな」

交番に届けてもいいけど家と逆方向だしな……それにこの汚れ落としてあげたい。せっかく可愛い顔してるのに台無しだよ。
よし、持ち帰って汚れを落として明日の朝交番に届けに行こう。
そう決めた私はぬいぐるみを持って家へと歩き出した。

「起きて〜……起きて〜〜」
「んん……にぇむ…………」
「起きてよ〜、タイマー鳴ってるよ〜……」

何か声がする。今のアラーム、何かのボイスにしてるわけじゃないしな……まだ寝ぼけてるんかなぁ。
すぐにくっつこうとする瞼をがんばってこじ開けると、見覚えのない美青年が視界に入った。

「あ、やっと起きた！おはよう……ヌナ？」
「知らん人にヌナなんて呼ばれる筋合い…………はっ？」

ガバッと勢いよく起き上がる。美青年の反射神経がよかったおかげで激突は免れた。っていやいやおいおい、

「どちらさま！？」
「あれ、わからない？僕の見た目をよく見てみて」

両腕を広げた彼を頭からつま先までじっくり観察する。黒地の黄色い襟のスーツ、金髪、片耳にチェーンのピアス…………ひらめいた。ひらめいたんだけど、いや、まずありえない。

「ぬいぐるみが人間になってる……あ、いや人間？え？？何がどうなってんの？？」
「あはははは、やっぱりおもしろい人」

お腹を抱えて笑ってる彼の目は見えてる？ってくらい細められてる。可愛いな……と思った刹那、今の時間が気になった。

「あ〜……そろそろ準備しないと」
「朝ごはんなら僕が作っておいたよ」
「ありがとう〜……………待て待て勝手に冷蔵庫開けんなよ！？」
「でもぉ、拾ってくれた上に体も洗ってくれたお礼したくて……」

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