ばんたん短編集 (ページ12)

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💙内緒のプレゼントページ12

※街のモチーフは某漫画から取ってますが軽率に作者にその話を振ると泣きます。

写真集の撮影のためにロケに来た。白を基調とした外観のお店が立ち並ぶこの街は銀を使ったものが名産らしい。
今回の撮影のアクセサリーや小道具も、すべてここで作られたものだ。一つ一つが職人さんの手作業によるもの故にかなりの値段はする。壊さないようにね、とメンバーやスタッフに何度も注意さ(からかわ)れた。
撮影の合間、ジョングガが彼女にお土産を買いたいからと付き合わされてお店を覗いてみる。

「グガの彼女、日本にいるんでしょ？郵送するの？」
「いえ！少ししたらスケジュール落ち着くでしょう、その時に会いに行くんです！あ、この指輪いいなぁ」
「送るものの意味は考えなね」
「わかってますよ！」

頬を膨らませたグガの頭を撫でて、僕も色々見て回る。
僕も彼女に何か渡したいと思うんだけど、Aはすぐ遠慮するんだよな。この前も服を何着か買っていったら「買いすぎだよ！もっと自分のためにお金使って！」とぷんすか怒られた。でもちゃんと着てくれてる辺り可愛いんだよな。
思い出していたらぬっと横から出てきたジョングギにつっこまれた。

「ヒョン、表情管理」
「おっと」
「てかヌナって金属アレルギーとかって言ってませんでした？」
「うん、そうなんだよね……」

前にピアスを買ってあげようとしたら何故かバレてその話をされたんだった。早めに知れてよかったと思う分、あげられるものが限られてしまってちょっと切ない。アクセサリーって手っ取り早い牽制の材料にもなるし？
ジョングガも考えてくれて、二人で一緒に悩んでいると年配の女性店員さんに声をかけられた。

「お兄さん、彼女への贈り物？」
「いえ、妹に。でも彼女が金属アレルギーなんです。ここの装飾品はとても綺麗だから贈ってあげたいのですが」

真実に一つの嘘を混ぜて話してみる。ほうほう、と頷いた店員さんは一旦奥に戻って小さな箱を持ってきた。

「わぁ……！」「すごいっ、綺麗！」

透明なガラスの玉に銀色の装飾が施されたとんぼ玉の簪。精巧な装飾の美しさに思わず声が出た。Aの綺麗な髪に映えるだろうなぁと想像して心が躍った。
僕らの反応がよかったからか店員さんは嬉しそうに笑う。

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