俺の専属マネージャー。２

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関係性を疑われるようなこと、
出来ないのは分かってるのに、
淡々とした態度が寂しかった。


「Aちゃん、病院、行こ？
俺もついてく」


安田さんが心配そうに言って、
私の手を取ったら、
真美さんの顔色が変わった。


「病院に行く程でもないです」


私が言ったら、
安田さんが、


「あかんて。
俺がそんなんさせへん。
心配やねん」


真美さんがいるのに、
甘い恋人同士みたいな口調でそう断言する。


「ねぇ、ヤスくんとAちゃん、
もしかして・・・」


真美さんの訝しげな視線が痛い。


「違います」


慌てて否定したけど、
真美さんは首をひねってて、
まだ疑ってる。

迷惑かけちゃうかもしれない。

安田さんには立場があるのに、どうしよう。









救急病院で熱を下げる注射を打ってもらったけど、
まだふらつく。


念のためインフルエンザの検査もさせられて。


真美さんが会計してくれてる間、
簡易ベッドで一人おとなしく寝てたら・・・


律子さんからたくさん、
山ほど、
LINEが入ってきた。


律子スタッフさんに聞いた。
すばると章大がAちゃんをめぐって揉めたんって?


律子二人ともと距離取って、
ビシッと切り捨ててやって。
マネージャーがタレントと恋愛関係に落ちるのは、言語道断だって分かってるよね?
迷惑してるなら、
私の方から二人に厳重注意しておく


律子今後の仕事については、
あの二人以外のメンバーについてもらうから。
そのつもりでいてね。


律子すばるはいつもの火遊びだろうからほっとくとして。
問題は章大。
本気なんだろうけど、心を鬼にして断って欲しいの。



文字の羅列が涙で霞む。


泣いてるのは、
熱のせいで、
悲しいからじゃない。



そろっとカーテンが開いて、
安田さんが身を潜めて、中に滑り込んで来た。


マスクと帽子で、一応、変装してるみたい。


「Aちゃん、辛い？」


ベッドの脇のパイプ椅子に座って、
私のおでこに手のひらを乗せる。


その仕草が自然で断れなかった。


「熱、めっちゃあるやん。
大倉の風邪がうつったんやな。
可哀想に」


「大倉さんほどはひどくないから。
大丈夫です」

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