俺の専属マネージャー。２

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深くキャップ被った渋谷さんが、
部屋の中に滑り込んできた。


びっくりして声も出ない私に。


「誰と長電話してんねん。
ほんま・・・」


少しふて腐れた顔で言って。


言い訳する前に、きつく抱きしめられた。


「会いたかった・・・」


耳元に甘い声が響く。


「どうして？
どうしたの？」


他にも色々言いたいはずなのに、
何も思い浮かばない。


嬉しい。

会いに来てくれるなんて。


「記事また出てもうて・・・
お前が泣いてへんか心配で。
それに、俺が会いたくてもう、限界やった」


私だって、寂しくて苦しかった。

たったの一週間なのに。



息も苦しいぐらいに、
きつく抱かれてたのに、
少し身体が離されて。


頬、手のひらで包み込まれたと思ったら、
甘い甘いキスを受ける。


何回か重なっただけで・・・

不意に深くなった。


渋谷さんの吐息。

息つく暇もなくて、
もう、ここに立ってられない。


自分がどこにいるのかも分かんなくなりそうな、
渦の中に巻き込まれてく。


「やめて・・・
勝手にこんなのしないで」


無理に離れて、
顔を背ける。

手のひらで自分の唇、覆ったら、
その手を掴まれた。


「・・・嫌や。
勝手なことしたい。
お前は俺のもんや。
・・・せやろ？」


有無を言わせない言い方されて。


骨も脳も、何もかも、
形がなくなるまで溶かされた錯覚がする。


何も答えられなくて、
条件反射みたいに、
嫌々してしまう。


もっと求められたいだけなのかもしれない。


それに気付くのが怖い。


「怖がらんといて。
お願いやから・・・
お前とキスしてたい」


渋谷さんの声がかすれて、苦しげで・・・


見上げて、
その綺麗な瞳に吸い寄せられて。


小さくうなづいたら、
渋谷さんが苦笑いした。


「・・・ええ子や。
お前は・・・ほんまに可愛い」

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