俺の専属マネージャー。２

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泣いちゃいそうで、
ぐっと堪える。


「泣いてもええねんで。
熱のせいにしたらええねん」


安田さんが包み込んでた手を離す。

ふわって、抱きすくめられて・・・

安心して、思いっきり泣いちゃった。



しばらく、そうしてて・・・

涙の枯れる頃に。


「Aちゃん、会計終わったけど。
車まで歩けそう？」


カーテンの向こうから、
真美さんの声が聞こえて。


心臓が止まりそうになった。


なのに、安田さんはちっとも焦ってない。


カーテンが開いて、
真美さんの方が、
驚きのあまり、
声も出せなくなってる。


「真美さん、俺とAちゃんは何もないで？
大事なマネやし、大事な友達でもあるから。
心配でたまらんかってんもん。
それに風邪をうつしたん大倉やねん。
やから俺も責任も感じとってな」


安田さんが、
いつも通りのほんわかした口調で説明してる。


「大倉くんの風邪なのに、
ヤスくんが責任感じるの？」


真美さんがぷって吹き出した。


「うん。
大倉は俺の親友やし。
でかいけど、弟みたいなもんやもん」


「ふうん。
まあ、いいや。
人に気付かれないように、
裏口から出ましょ。
Aちゃん、宿に着いたら、
お薬飲んでね」


「はい。
何から何までありがとうございました」


頭を下げて、立ち上がる。


まだ熱でぼんやりしてるけど・・・



渋谷さん、どうしてるかな。


律子さんから、
激怒されてるだろうな。


私のせいで・・・


明日、新大阪で別れたら、
しばらく会えないかもしれない。


しばらくってどれぐらい？


それを望んでたはずやのに。


どうしてこんなに胸が苦しいんだろう。

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