俺の専属マネージャー。

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後悔したけど、
もう戻せない。


「どうしてん？
何を拗ねてんねん」


渋谷さんが、泣き出しそうな、
私のおでこのあたりに触れた。


もう泣いちゃいそう。


好きなんだ。


私、この人のこと。


きっともっとずっと前から。


私よりも先にそのことに気付いたから、

だから、達也は、

渋谷さんに会いにラジオ局に行ったんだ、って。


やっと分かった。


「触らないで下さい」


思わずその手を振り払った時。


「Aちゃん！大変や。
大倉が倒れてもうた。
病院連れてったって！」


おっきな声で叫びながら、
錦戸さんが慌てて廊下を駆けて来た。


「分かりました」


慌てて返事する。


「じゃ、私、行くので・・・」


まだ少し呆然としてる渋谷さんに背を向ける。


女はみんな、餌をまけば、
自分に惚れるとでも思ってるの？


ハイヒール一つで、
心まで持ってかれたりしないんだから。

言ってやりたいのに・・・



横暴なふりして、本当は優しい。

眠そうなぼんやりした寝起きの姿。

必死の顔でゲームしてる背中。

ヘッドホンで曲を聴いてる横顔。

メンバーとふざけてる時の屈託ない笑顔も。


椎茸がいまだに怖いビビリなところさえ。


好き。

大好き。


気付いたら、こんなにも、
胸の中は渋谷さんで埋め尽くされてる。


胸を震わすような、透き通る声に、
包まれていたい。


「A。
待てや。
泣きそうな顔してる。
どうしたんや」


渋谷さんが私の腕を掴んだ。


沙百合さんとは、どんなおトモダチなの？

オトナの関係なの？


私の知らないような・・・



振り返って、律子さんに言われたまんまを伝える。

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