episode9 ページ10
sha「ぁ…」
ひとらんや…動物と一緒におるんか。
ポメ…久しぶりに見たなぁ。
ポメは俺が森で見つけた犬。ポメという名前も俺が付けた。
毎日会いに行ってたけど、もう行けへんからな。
行ってみるか。
ポメ「ワン…？」
悲しそうな、寂しそうな声で鳴くポメ。
ひとらんは優しくポメを撫でる。
ひとらんは、何も言わなかった。ただ、無言で撫でるだけだった。
目には涙が浮かんでいて、悲しそうな表情で座り込んでいる。
何考えてるかわからん…心呼んで見るか。
ht(何で死んだんだよ。ポメ、悲しんでるじゃん。)
俺のことか。
………ごめんな。
ht(戻ってきてくれたら、どんなにいいか…)
俺だってそうだよ。
戻れたら、どんなにいいか。
でも…これは俺が決めたことやから。
もう、無理なんだよ。過去は変えられない。
ht「じゃあ…俺もう行くね。」
ひとらんは戻っていく。
ポメはひとらんの背中をじっと眺めていた。
ポメは、眠りについた。
俺はポメを抱きながら優しく撫でる。
sha「いい夢見てな、ポメ。」
ひとらんも…幸せになれよ。
俺の分まで…
ポメと別れた後、俺は監視室に行った。
マブダチのロボロの様子を見にきたんや。
ロボロはボーっと画面を眺めているだけだった。
ロボロのつけている天と書かれた紙が、揺れた瞬間、ロボロが泣いているのが見えた。
俺は、何も言えなかった。
rb「ｸﾞｽｯ」
鼻を啜ると、紙をとって涙を拭ったロボロ。
久しぶりに見た桃色に目に、ハイライトはなかった。
俺はなんとなく、心を読んでみた。
rb(なんで死んだんだよ…相談してくれたってええやん。マブダチやねんから､､､)
ごめんロボロ。
お前を頼らなかったわけちゃうんや。
ただ…マブダチのお前には苦しんでほしくなかった。辛い思いをしてほしくなかった。
ごめん…マブダチなのに。
ロボロは隈が酷く、徹夜をしていたからか眠ってしまった。
俺はロボロが手に持っていた紙をそっと机に置き、コーヒーを置いて出て行った。
俺の分まで幸せにな。“大切なマブダチ”
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミミ | 作成日時：2023年12月4日 17時
