検索窓
今日:2 hit、昨日:56 hit、合計:31,405 hit

ページ21

*


「すっぽかすの初めてだわ・・・」

この発言について深く考えない方がいいと思いつつも、どうしても考えを止めることができなかった


初めて・・・すっぽかす・・・
誰しも初めてってあるよねー


でも、それ今言う必要ある??
私以外の彼女はすっぽかさなかったんだ


ぐるぐると黒い感情が動き始めるとと共に体はカーッと熱くなる


私のことどうでもいいと思ってるのだろうか、、
せっかく会えるのに寝坊して、、


なるせの家の前で待っている間、何度も視界が揺らいだ私の気持ちをポイッと捨てられた気がした


.



そっか・・・なんか、もういいや
帰ろ。なるせ元気そうだし


思い立ったら黙ってスマホをいじっていた


その様子の変化に3人は何かを感じ取ったのだろうか、会話をやめ、私のほうをうかがっていた


『あの、、なるこさん?』


恐る恐るといった感じでめいちゃんに話しかけられた

いけない、つい真顔になっていた

笑顔を顔面に貼り付け、できるだけ明るく「なに??」と返した


『Aさん、何検索してるんですか?^^』


とチラッと私のスマホを覗くあらきさん


「んー、タクシー」

「え??」

「帰ろうかと思って」

『『「!!!?」』』

「すっぽかす前提で合鍵もらっても嬉しくないので^^」


今できる100%の笑顔でそう告げ、探し出したタクシー会社の番号をタップしようとすると、ぎゅっと横から手を握られた


ん??と思いその手の先を見ると、あらきさんがあっ!!と驚いた顔をした


『あぁ!あの、帰るなら送ってくんで、ちょっと待ちましょう』

『ちょっ!あらきさん、何言ってんすか!!
いや、なるこさん、ちょっと落ち着きましょ』


慌てている3人を見ながらも、
私は至って冷静だ。どう落ち着けと?という顔でみんなを見ると大人しくなった


「ごめんね。今一緒にいても楽しくないと思うから」

「ほんっとごめんなさい!」

「うん^^ 寝坊のことはね、怒ってない」

「はい・・・」

「歴代彼女ですっぽかすのは私だけってさ・・・なんか、やだよね〜^^・・・・・・」

『『「・・・・・・・・・」』』

「それで合鍵渡せって、、」


今まで頑張って作ってきた笑顔も崩れ、ここまで堪えていたものが溢れてきた
こんなのすごいやだ
こんな顔見られたくないし、でも止めることも出来なくて、今度は私が項垂れた

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
314人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , nqrse
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カニカニハンマー | 作成日時:2021年11月30日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。