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『なるせが、ここまでどうやって来たか?って聞いたら、水飲んでくださいね^^』
言われたとおり、水を飲む
それを見たあらきさんが楽しそうにニッコニコの顔で近付いてきた
ちょうどなるせの背後に御手洗があったため、
私と顔を見合せながら接近し、なるせの肩をポンと叩いた
『なるせさん、お久しぶりですぅ〜^^』
「・・・・・・」
「な、なるせ??」
「え、あらきに?」
「助けてもらいました」
はぁぁぁ〜〜・・・と項垂れるなるせ
小さく、マジすいません・・・と呟いていた
その様子を見ながら私の横に座るあらきさん
なるせは頭にハテナを飛ばしながらこの様子を見ていた
「えっ・・・とぉ、なんでそっち??」
『ん??^^』
「いやいや、ん?? じゃなくて」
少し苛立つように問いただすなるせ
『いや〜この2時間でだぁ〜いぶAさんとも仲良くなりまして〜^^』
「そっ、すかぁ・・・、いや、でも」
『ぁあー!!あと、もう1人いるんすよー^^』
食い気味に話を逸らすと、あらきさんがひらひらと手招きをした
釣られるようにその方向に目を向けると、
あたかもランウェイのようにめいちゃんが登場し、またなるせが項垂れた
「まぁーじか、、いや、、まじか・・・」
この現実を受け入れたくないのか、何度も繰り返すが、自分の横に座っためいちゃんに肩を組まれると、現実を受け止め頭を上げた
『はい!なるせくん、ちゃんと説明して?』
「すいません、寝てました・・・」
『彼女が遠くから来てくれるのに?』
「はい・・・」
『今日すごい寒いよね〜』
「はい・・・」
『なるこさん、なるせの家の前で何分待ったんでしたっけ?』
めいちゃんの怒涛の追求に気を取られ、いきなり自分に飛んできた質問に驚いた
「えっ・・・1時間・・・くらい、かな」
「マジか・・・ほんと、ごめん」
謝り倒すなるせがそろそろ可哀想になってきた・・・
もう大丈夫だよ、と言ってあげよう
「あの、・・・」
「デート、じゃないけど、すっぽかすの初めてだわ・・・マジ最悪じゃん、おれ・・・」
なるせの発言に遮られた
その後も3人は何か話している
『そんなんなら合鍵わたしておけばw』
とかなんとか・・・
楽しそうに面白おかしく談笑を始めていた
私1人、どんどん気持ちが沈んでいく
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作者名:カニカニハンマー | 作成日時:2021年11月30日 19時