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近くで車が止まる音がしたので顔を上げると、本当にあらきさんが来てくれた
早足で私のもとへ来て、大丈夫ですか?と声をかけてくれる


寒くてどうにも頭が回らないため、愛想よくできず、はい・・・と答えると、また心配そうな顔をしながらも、


『とりあえず、車乗りましょうか^^
あったかくしといたんでぇ〜^^』


と私の荷物を持ち上げながら提案してくれた


この寒さから解放されるのであれば、と車へ乗せていただいた


バタン、とドアが閉められると、久しぶりに感じる暖に縮こまっていた体の力が抜けていった


『遅くなっちゃってすいません^^;
いや〜この寒さはやーばいっすね

ちょっと暖かい飲み物でも飲みに行きましょーか^^』


と車を走らせてくれるあらきさん

あ、そうだ、はい^^これどーぞ〜^^ と渡してくれたのは、暖かくなったカイロだった


「あったかーい!!」

『ふふっ^^ 寒がってるだろうと思いましてぇ^^』

「ありがとうございます!」

『喜んでもらえたならよかったです^^』


優しい気遣いに寒さで荒みかけていた精神がようやくいつもの状態に戻ってきた


しばらくしてカフェへ到着し、あったかいココアにありついた

暖かいココアが喉を通っていく感覚は、まさに生き返る〜という言葉がぴったりだった


『やっと解凍されてきましたねw』

「いや〜ほんとです・・・ほんとに冷凍されました・・・」


こんな風にあらきさんと2人きりで話すのは初めてだったが、あらきさんのニコニコした雰囲気が話しやすく、今日の経緯や、なるせとの話など、思いがけず楽しくお話していた


それにしても、ここに来てからも1時間程経つが、まだなるせからの連絡はこなかった


『なるせ起きないですね〜』


あらきさんも電話をしてくれているが、一向に応答なし・・・大丈夫かな、と少し不安にもなる


「大丈夫でしょうか・・・」

『んー、でも寝るって言ってたんですよね?なら寝てるんじゃないかなー

なるせさんよく寝坊するしw』


そんなもんなのかな・・・睡眠欲は人の三大欲求とはいうが、私ってなるせの中でそのくらいの大事さなのかな、と思うとちょっと心が冷えていく


『あっ!そうだ!面白いこと思いついた!』


気分が落ちかけた時、あらきさんの元気な声が聞こえた

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作者名:カニカニハンマー | 作成日時:2021年11月30日 19時

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