俺にしときぃー！！短編集 (ページ13)

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初めての訪問ページ13

【初めての訪問】

今日は遂にAさんのお家へお邪魔する

その前に、駅まで迎えに来てもらって、遅めのランチを食べて、ドライブしながらどこかカフェを探して、散歩して、Aさんの家でお鍋をつつこう、というプランになっている
なんてリア充なんだ、と我ながら思う

もうそろそろ待ち合わせの駅に着くから、もうすぐだよ〜と連絡を入れた
するとすぐに返信がきた

『もういるからね〜』

おれが連絡した電車の時間に合わせて駅まで来てくれているみたい
早く着かないかな〜とソワソワした

それから間もなく、待ち合わせの駅へ着いた
いつもとは違う、Aさんの家の最寄り駅だから、雰囲気は落ち着いた所だった

聞いていたほど田舎じゃないじゃん、と思いながら改札を出ると、久しぶりに見るAさんの車をすぐに見つけた

車に近づくと、Aさんも気付いてくれてパッと笑顔になった

Aさんとは付き合うことになって初めてのデートだ
ちょっと照れくさくて車に乗り込んでもなかなか話しかけられずにいた

「どーしたの？疲れた？？」

口を開かないおれに運転しながら話しかけてくれる
相変わらず余裕な顔で運転してくれてる
多分運転はおれより上手だ

「んーん。運転上手だなーと思って」

適当な理由を付けて話を繋いだ

「普通でしょー^^ 毎日通勤してるしw

もう自転車とほぼ感覚一緒だよw」

と言いながら目的のお店まで走らせてくれた

久しぶりに向かい合ってする食事
あれ、Aさんちょっと痩せたかな？ちょっとメイクも変えてるかも。ネイルもいつもちゃんとしてるけど、今日も可愛い

色んなことは思うけどなかなか言葉にすることができなかった
これがコミュ障か･･･とちょっと落ち込みもする

Aさんが気まずいと思ってないかな･･･とチラッと見ると、美味しそうに食べていた
その時、バチッと目が合った

「ん？？こっちの食べたい？？」

いや、おれそんなに物欲しそうな顔してたかな？

大丈夫と返すと、ふーん？とまた食事に集中し始めたAさん
あんまり気まずいとかは感じていないみたい？
とちょっと安心した

それから会話が止まるでもなく、弾むでもなく、スケジュールは進んでいった