俺のカノジョ、めがみ 2【三ツ谷隆】

＊ ページ48

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あれから、
閲覧エリアに移動して二人並んで座り、
あのまま持ってきた本を読む。



Aはこういったジャンルの本は
読んだことがないのか、というか、
普通なかなか手に取らねぇもんなぁ…。


興味津々という様子でじっくりと見ている。



そっとA側に本を寄せてあげて、
俺は横顔を見つめた。



自然にカールした長いまつ毛。

集中しているからか、ツンと尖らせた赤い唇。

右目尻に添えられたほくろ。

このほくろ、色っぽくて堪んねぇんだよな。




「…ぽち。」



『わあっ。』




小さな泣きぼくろをスイッチみたいに押す。


目の近くに指が近づいたからか
両目をぎゅっとさせて驚く。ごめんかわいい。




『も〜、タカくんなぁに？』



「…Aのさ、ここのほくろ好き。」




親指で優しく触れると、くすぐったそうにした。




『んっ、ほくろ？』



「ふふっ、色っぽいな。」



『色っぽい…かなぁ…？』




目尻に人差し指を置いて、
えー？と言いながら斜め下に引っ張る。

たれ目がもっとたれ目になっちゃうからやめなさい。




『うーん、お母さんも
　Aのほくろは大人っぽいねぇ
　って言ってたけど…。』



色っぽい？大人っぽい？
腕を組んでうーん、と唸るA。




「なんかさ、見てるとキスしたくなる。」




『！？な、何言ってるの！？』



「なんだろうな、そのー、ぐわぁっと、
　奥の方からずわぁっと来るというか。」



『どういうこと…？ずわぁ…？』




うまく説明できないけれど、
身体の奥底から上がってくるぞ〜という風に
手でジェスチャー。


一切伝わってないけど。





やばい一回意識したらしたくなってきた。





『…ッ！タカくん！？ちょ、だめ、だめだよ！』




俺は無意識にAに顔を近づけていて………









「ゔっ、ゔぅん！！」





さっきの子が、少し離れた席から俺たちを見て…
…厳密には見てはいないというかなんというか
咳払いでアピール。



危ねぇAに夢中で周り見えてなかった…！
むちゃくちゃイタいな俺。



幸い？この子以外の生徒は
受付の図書委員の他にいなかったみたいだけど…。



俺ら(主に俺)図書室向いてねぇ。


本当にすみませんでした。




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