俺のカノジョ、めがみ 2【三ツ谷隆】

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「おっほ…すげぇ勢いじゃんっ…。」




程よく厚い胸板に耳をつけると
とくっとくっと鼓動が聞こえる。


ぐりぐり頭を埋めて私は続けた。




『…がんばったね。』



「……ありがと。」



『八戒くん、大丈夫だった？』



「…まあ、なんとか。
　みんな、傷だらけになったけどな。」




苦笑しながら
結局うちの総長が一番強ぇな、だとか
タケミっちなんか左目超腫らして頑張ってたんだ、
と教えてくれる。






『……さみしかった。心配した。寝れなかった。』



「…うん。」



『こんなになるなんてきいてない。』



「…ん、ごめん。」



『ばか。』



「…うん。そうだな。」




こんなかわいい子不安にさせて俺バカだわ、
と笑いながら頭を撫でられる。





『…うﾞぅ〜。』



「…なに、どうした。」



『うﾞぅ〜だいすきぃ〜…。』






「……くふっ。」




バッと顔を確認すると、
堪えきれないという様子で頬を緩めていた。




背中に回していた腕を首に移して
これでもかと力いっぱい抱きしめる。


タカくんは私に合わせて少し背中を曲げてくれた。




『タカくんのばぁか！』



「ッ…、苦しいよA。」



『……えいっ！』



「うわっ、ちょっと待てって！俺 怪我人！」




腰元に脚を絡ませるように飛びついた。


なんだかんだ、笑いながら私を支えてくれる。




『…ぐすっ。』



「A…泣いちゃった？」




泣いてない。泣いてないもん。
今日はいっぱい泣いたからもう泣かないもん。



だけどちょっとだけ、鼻の奥がつんとしちゃう。




『……ん、かおみないで。だいすきだから。』



「…ふっ、なんつー理由だよ。」





『…おうち、あがって。』



「えっ、いやっ」



『そんな姿のまま帰さないんだから！！
　きれいにするよ！！！』



「…はい。」




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