068 白紙に戻せない３ ページ19
俺と目線が絡むように君の顔を持ち上げる
櫻井「なぁに、泣きそうになってんだよ」
A「なってない」
櫻井「目ぇ、潤んじゃってんじゃん」
A「ごめんなさい」
溢れんばかりに湛えられた君の涙が零れ落ちる
櫻井「おわっ、おわっ、泣くなっ、泣くなってば」
A「へっ、あっ、ごめんなさい」
自分の涙にびっくりした様子の君が
慌てたように頬に伝った涙を拭うために手を上げる
櫻井「あぁ、擦っちゃ駄目だよ」
A「でもっ」
君の手を掴んで涙を拭う行為を止めると
櫻井「こら、ダメだってばっ」
A「うぅ〜っ…でもっ…」
掴んでいなかった反対の手で涙を拭おうとするから
その手も掴み取る
櫻井「な、Aが悪ぃんじゃねぇから
泣くなよ…」
A「んっ…」
櫻井「俺が、悪ぃんだからさ…泣くなってば」
A「……っ…う、ん…」
女の涙は苦手だ
そりゃ、苦手じゃない涙もあるにはあるけど
感動の涙とかってさ
ん〜…極論だけど、ほっておけるじゃん
何もしなくっていいじゃん
でも…ほっておけない涙は苦手だ
女の涙は武器だって言うけど
俺はさ、武器ってぇより…ズルいって感覚のが強い
時と場合によるとは思うけど
そのズルいって感覚が俺の中に渦巻いてしまうと
俺の全ての感覚が凍りつく
同じ女性の涙でも友人の涙と
異性としての女性の涙の持つ意味も
俺の中では異なるものだ
こういう仕事をしていると
友人はとても大切なものだ
俺を理解し受け入れてくれる大切な仲間
迷惑をかけることも多々あるのに
何も言わずに傍にいてくれる大切な存在
男の友人がほとんどだけど
少数だけど女性の友人もいる
友人の女性の涙を見れば、すげぇ心配するし
どうにかしてやんなきゃって思う
そこに、男女の差は俺の中では無い
自分との関係性によって感じ方が違うことは
誰にでもあることだと思うけど
普通の人より許容範囲が狭ぇっていう自覚はある
その許容範囲の狭さは
付き合ってる人にも適応されて
俺の中で納得できねぇ涙を見せられると
すっと覚めてしまう自分を自覚するともう駄目で
やり直せなくて離れてしまったこともある
君と初めて会った時も
君の涙を冷ややかな気持ちで見てた
今までの俺だったら
今の君の涙も冷ややかに見つめていたはずなのに
そう見ることが出来ない自分に驚きを感じる
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さとみか(プロフ) - はじめまして。しばらく更新されていらっしゃらなかったので待ち焦がれていた更新についコメントを残してしまいました（；＿；）夜桜さんの書くお話が大好きです。お忙しいとは思いますが、これからも楽しみにしています。 (2018年1月26日 18時) (
レス) id: ff0f8b6ad6 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - soraaさん» お返事が、大変遅くなり、申し訳ございませんでしたm(__)m更新も、滞っており、重ね重ね、申し訳ございません＾＾；；ドキドキできましたか？そういっていただけると、とても嬉しいです♪更新スピードは上がらないと思いますが引き続き、よろしくお願いしますm(__)m (2016年3月7日 16時) (レス) id: f4d923564a (このIDを非表示/違反報告)
soraa(プロフ) - 初めまして。昨日、このお話を見つけて一気に読みました。切ないけど、ただ抱きしめあうだけでもドキドキします。翔くんの想いが通じるといいなと祈りながら読んでます。続き楽しみにしています♪ (2016年2月28日 21時) (レス) id: e7c909fbb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜桜
| 作成日時：2015年4月22日 19時
