君に恋した理由｡【*名前変換オリジナル】

(35)貴方side.　 ページ35

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A「…ちょっとついてこないでよ｡」


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私は足を早くしても向こうはついてくる｡

しかも普通に歩いてるのに追いついてるから―…むかつく｡


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佳祐「歩幅ちっちゃいね(笑)」

A「うっさいっ､短足とでもなんとでも言えばいいよ!!」


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私はつい強い口調で言ってしまった｡

…いや､いつもこんなものか｡


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そして私は更に歩く速さを早くして歩き出した―…


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そのとき｡


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A「うわぁっ…!」


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ｸﾞﾗｯ､と体がぶれて後ろに倒れる｡

勿論その原因は―…


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佳祐「ちょーっと待て｡」


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そう言って私のお腹あたりに手を回してくる佳祐のせい｡

後ろから捕らわれるのって…ちょっと苦手なんだよね…｡


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A「…何…｡」

佳祐「俺さ､確かに歩幅ちっせーとは言ったけど…短足だなんて思ってねーよ」

A「…だからどうし…」


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そんなの一々言わなくたっていいから｡


…そんなことを言おうと思った｡ けど―…


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ﾌﾜｯ､と感じる佳祐の匂い｡


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ｻｧ､と横切る｡


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そして耳元に感じる…暖かい風｡


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A「………〜っ!!」

佳祐「ふ(笑) じゃ､そーいうことだから♪」


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そういってﾋﾟｮﾝ､と跳ねて私より前を歩き出した｡

どんどん遠ざかって行く佳祐の影｡


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私はｿｯ､と耳に触れた｡


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A「……そんなの…ズルいもん……｡」


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あんなの…誰だって…


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"ちっちゃくて可愛いなーって｡"


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そんなの、

女の子になら誰でも言うくせに―…｡


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ちょっとでもﾄﾞｷｯ､とした私の気持ち返してよ。


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…ばーか…｡


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