(2)貴方side. ページ2
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「いいなぁ、Aちゃん…保健室で二人っきりだよ!柚樹くんと!」
「いいよね〜、羨ましい……もしかしてあの二人ってああいう関係なのかもね?」
「いやいや、Aちゃんはそういう人じゃないから(笑)」
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教室から出ようとした時。
また女子の会話が耳に入った。
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本当にこう言う話から
噂って広がっていくから…いっつもビクビク、してる。
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A「……本当に迷惑かけて……」
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小さな溜息をついて、
重たい手と足を動かしてガラッ、と開けて教室を出る。
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向かう先は保健室、
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三階から一階まで降りなきゃいけないから
チャイム席だってギリギリな時もある。
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柚樹の所為で、
意欲落ちるんだから……、
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そして、一階に降りて
保健室の目の前までついた。
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A「………。」
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そして暫くそこに立ち尽くす。
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どうせ、呼んだってこないことは判ってるんだから。
来ても無駄なのに。
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それでも頼まれたことはやらなきゃなので、
ガラッ、と保健室のドアを開け…
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A「失礼しまーす……」
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そして目線の先はベッド。
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カーテンがしまってるが、
人が寝転がっている様子が判る影があった。
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ゆっくりとそのベッドに近づいて、
シャッ、とカーテンを開ける。
そこには…
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柚樹「……んだよ…。」
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眠そうな顔をして此方を見る明智柚樹の姿が。
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んだよ、じゃないよ。
此方はわざわざ呼びに来てあげてるんですけど?
私に来て欲しくないなら授業出たらどうです?
教室で寝たらどうですか?
なんて言いたいことはいっぱいあるけど
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A「…あの、教室。来ないの?」
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もう返事なんて判ってるんだから、
私は適当に問いかける。
そしたら予想通り、
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柚樹「…うん、行かない。」
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そういってバッ、と布団をかぶった。
この野郎…って思ったけど、
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A「…そっか、気が向いたらいつでも来てね。」
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そう優しく言って
保健室をあとにする。
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パタン、と扉を閉めた。
A「アイツの何処がいいのよ……。」
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そう呟いたその時、
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― キーンコーンカーンコーン、
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今日も間に合わない、チャイム席が鳴った。
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シノハ - この作品、本当の私と性格が…似てる…(笑 次も楽しみにしてます!頑張ってください! (2014年10月12日 0時) (レス) id: 6f5cb1dca5 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ - 萌え萌えです〜( ^ω^ ) (2014年3月20日 15時) (レス) id: a5419c006b (このIDを非表示/違反報告)
清条桜花(プロフ) - すごい良いです(*´_`*)
王子二人ともかっこよすぎ!
めっちゃ主人公にも萌えました!ありがとうございました(つω`*) (2012年12月16日 21時) (携帯から) (レス) id: 9a5d498568 (このIDを非表示/違反報告)
☆聖奈☆(プロフ) - 次も、頑張ってください! (2012年8月3日 1時) (レス) id: 81cb204c94 (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 読んだよ~(^^)/頑張って下さい!(*^^*) (2012年8月2日 20時) (レス) id: 0b4d2d930e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*琳檎* | 作成日時:2012年7月1日 14時