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どこ？ ページ1
誰もいない道の上で…
Aが雨の中、傘をさして俺の方を見つめている。
俺は傘をささずにただ呆然と立ち尽くしている。
Aは数分間何も話さず、ほぼ動かない状態だった。
数分後…。
「またね…。」
Aはそう言って、俺に背を向けた。
俺の唇は震えている。
声を発したいけど、出てこない。
「A…」
ようやくでた声は途轍もなくか細くて、
みっともない声だった。
Aは振り向く訳もなく、次々と足を進めていく。
Aの進んでいく道は街灯も疎らで、真っ暗で何も見えなかった。
「A！！！！！！！」
全身に力を込めて叫んだ。
Aは足を止めてこっちを見た。
こっちに戻ってきた。
「A！！！！」
ただAは笑みを浮かべて俺の方に来る。
「…傘、」
そう言って傘を俺の足元に置いた。
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作者名：紫蝶。 | 作成日時：2020年9月10日 20時
