【七つの大罪】原罪の歌姫〜序章〜

シンデレラの悲劇〜Cinderella tragedy 〜 ページ34

数日がたち、

自国の王からふれがきが来ました。

『来週、我が息子

　第一王子ヘルブラムの妻を選ぶ

　舞踏会を行う。

　妻になりたいと願う者は

　参加されよ。』


ジ)「舞踏会だってよ！」

ギ)「妻になりたいと願う者…ねぇ。」

あ)「舞踏会…。」

二人の姉はシンデレラを睨み

言いました。

ギ)「あなたはだめよ。」

ジ)「テメェには仕事が沢山あるんだからな。」

あ)「…はい。」

シンデレラは諦め、

舞踏会の日まで働きました。

ですが、

姉達に内緒で彼女はあるものを

作っていました。

毎日仕事が終わり夜になると

自室…屋根裏部屋に行き

舞踏会用の

『ドレス』を

作っていたのです。

水色を基調とした

彼女にとても似合う美しい

ドレスでした。

あ)「…やった！完成した。」

ドレスは舞踏会前夜に完成しました。


しかし…、

ジ)「おい！これは何だ？」

ジェリコの手には

あ)「…ドレス！」

ギ)「私達の目を盗んでこれを…?」

あ)「返して。…返して！!」

ジ)「テメェ！離せ！」

引っ張りあいの末に


ビリっ

ビリリリリッ

ドレスは無惨にも引き裂かれました。

あ)「そんな。」

ジ)「はっ。いい様だ。」

無惨にもズタズタにされてしまったドレス。

あ)(ほとんど原型を留めてな、い。

　 これじゃ明日に間に合わない。)

彼女はドレスを掴み、

あ)「うわぁぁぁん。」

涙を流しました。

そして…

バンッ！


家を飛び出しました。

ドレス…いえ、ドレスだったものを

握りしめて。



あ)「ひっく。ひっく…。」

彼女が無意識のうちに

たどり着いたのは…







メ)「シンデレラじゃねぇか。久しぶりだな！」

エ)「シンデレラ？

　 どうして…

　 泣いてるの？」





白雪姫と七人の小人達のところでした。

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