✻ ページ18
遠くで何かの音がなっている。
それがドライヤーの音だと気付く頃には、ここがそめさんの家である事が分かった。ゆったりと重たい頭と身体を起こすと、何やら違和感が。
……服が、変わってる。寝てる間に着替えたりした？
さーっと血の気が引く。
冷や汗が1つ背中を伝った時、丁度ドライヤーを終わらせたそめさんが、お茶を手に寝室に戻ってきた。
｢あ、起きた？ はい、お茶。｣
｢……ありがと。……ねぇ、そめさん、服。｣
｢あー、ごめんごめん。着替えさせちゃった。｣
いつもなら ｢ありがとう｣ って言えるけど。今日は、今日だけはダメ！
｢何回も見てるから良くない……って訳では無いのか。｣
こくり、と頷く。
何を隠そう、今日は下着が上下バラバラなのだ。急に決まった事だったし、人前で脱ぐ事も無いし、と思い休日モードのまま行ったのが仇となった。
そんなだらしない所を見られた、と思うと恥ずかしくてたまらない。
｢寝苦しそうだったからさー、ごめんねぇ。｣
｢いや、大丈夫……です。｣
しゅんとした顔を見て、反射で大丈夫と言ってしまった。でも、ほら、そめさんはそう言う所を気にしないでくれる男だし！ 大丈夫……大丈夫。
手に持っている麦茶をぐいっと飲み干すと、コップを私の手から取り、机においてくれた。
｢体調はどう？｣
｢んー、平気。ちょっと頭が重い。｣
｢そうだろうね。｣
ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれるそめさん。
そんな事されたら、また寝ますけど。
｢お風呂入るよね？｣
｢うん、入る。｣
｢おっけー。はい、捕まって。｣
もはや抱っこだと言えるぐらい抱き上げられ、そのまま移動開始。やばいな、これ。凄く恥ずかしいぞ。
｢重いでしょ？ 良いよ、自分で歩く。｣
｢いやいや、いつも持ってるんで。｣
｢え、いつ？｣
｢Aがソファで寝ちゃった時とか。｣
｢……えー、ごめん。ありがと。｣
いつも記憶が曖昧で、自分でベットに行っていると思っていた。私、普段からめちゃめちゃ介抱されてるじゃん。洗面所に着くと、床におろされる。
｢風呂場で寝ないでよ？｣
｢うん。……多分大丈夫。｣
｢えー、じゃあ監視するために一緒に入るか！｣
｢大丈夫！ 絶対起きてるから！｣
そう言うと、くふくふと笑うそめさん。なんだか悔しい。
｢あ、タオルそこね。じゃ、俺寝室にいるから。｣
｢うん、ありがと。｣
ぱたん、と閉まるドア。
今日はいっぱい介抱してもらっちゃった。今度何かお返ししないとなぁ。
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イカレサイコ - か み さ ま あ り が と う (2022年8月1日 6時) (
レス) id: 334d9029f8 (このIDを非表示/違反報告)
てんちょう。(プロフ) - さんぷるさん» ありがとうございます！ 弱っている方には何かしらの魔法がかかったような魅力がありますよね……。ゆったり更新頑張ります！ (2022年7月4日 22時) (レス) id: 8ade5aaeee (このIDを非表示/違反報告)
さんぷる(プロフ) - 「依存」見事に刺さりました…よわよわgtすきなのでありがたいです…長編も短編集も応援してます！！ (2022年7月4日 18時) (レス) id: 254bd61ca4 (このIDを非表示/違反報告)
てんちょう。(プロフ) - ふくろうさん» ありがとうございます！ お薬のお話、人気のようで嬉しい気持ちでいっぱいです。ゆるっと活動頑張ります！ (2022年5月11日 16時) (レス) id: 8ade5aaeee (このIDを非表示/違反報告)
ふくろう - ﾜ“…好きです…！！！個人的にお薬のgtさん大好きだったので続き書いてくださってﾒﾁｬ嬉しいです…これからも陰ながら応援させていただきます！！！ (2022年5月10日 20時) (レス) @page10 id: f0a7203196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てんちょう。 | 作成日時：2022年3月28日 10時
