俺だけの天使 ４

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小瀧くんが、
けらけら大声で笑い出す。


「もう、グーとチョキでえっか！」


言うて、

グーとチョキで、別れましょ、

で、


俺はチョキ出した。


流星と小瀧くん、

癖でグー出すやろなっていう、俺の策。


祈るように、

神山くんを見たら、チョキ！


心ん中で、思わず、ガッツポーズ出た。


俺の読み通り、小瀧くんと流星はグー。


これで、二人きりなれる・・・

　
「俺は重岡オーナーと一緒や！」


神山くん、はしゃいだ声あげた。


はあ、可愛え。


愛くるしい笑顔は、
まるで天使そのもの。

白い羽根が確かに見えたで、今。


「重岡オーナー、絶対に勝とな！」


何をもってして勝ち負けなんかは知らんけど。

神山くんが楽しみにして張り切ってるなら、
それでええねん。


「うん、神山くん、頑張ろな」


「神山くんて嫌やなあ、ね？」


ちらっとこっち見て、顔傾ける仕草！


心臓、止まった。


「えっ？」


「みんなと同じ神ちゃんでええし」


「ほんまに？」


「うん。みんなそう呼ぶから」


「なら、
俺のこともしげって呼んでや」


「ええん？オーナーやのに」


上目遣いよ！！！


「もちろん。
なんか、むずむずするねん、オーナーって」


「オーナーはオーナーやのに？」


「やけど、ガラでもないし」


「ふは。オーナーらしいな。
でも、嬉しいな。
しげって呼んでみたかったかも？」


なんなん、その曖昧なんは。


ふわんふわんの笑顔。


この子の正体は、

天使なんか、小悪魔なんか？


混乱させられる。


どないしよう。


俺、３０手前にして初めて、


男の子に恋してもうたやんか！


こんな歳になって、
初めてのことって、あるねんな。

人生は何があるか分からへん。

ほんま深いわ。








そして今朝は、

超早起きして、

愛車をピッカピカにしてから、

待ち合わせ場所のジムの駐車場へ。


ほんまは、神山くん、

・・・神ちゃんの部屋まで迎えに行きたかったけど、


今、お姉ちゃんと二人で暮らしてる、言われたし、
迷惑かもせん、思て。


そもそも、神ちゃんが、
男を好きなんか、普通に女の子を好きなんかも、知らんねん。

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