俺だけの天使。３

３ ページ3

力任せに引っ張ったら、
章大が、俺の上に倒れ込んできた。


意図せずして押し倒されてる状態。


覆いかぶさった章大の鼻が、
俺の鼻にぶつかりそうな距離。


「ごっ、ごめん！
べ、別にっ、きみくんに、
えっちいことして欲しいいとか。
そういうんやなくてっ！
ちゃうねん！誤解やから！」


章大、慌てふためいて、
俺の上から飛び退いた。

そんままベッドから降りようとしてんの、
後ろからぎゅっと抱きしめる。


「ちゃうねん、ちゃうん・・・」


ちっこい声で呟いてる章大、
もう泣き出してしまいそうやねん。


「章大、・・・俺は、章大とえっちいことしたいで？」


「そんなん嘘やろ？
無理せんでええのに」


「なんでそんな嘘つくねん。
無理、無理はしてるで？
かっこ悪いけど・・・
俺、男の子とはな、その、
章大が初めてやねん。
やから、どうやったらええんか分からへん。
章大が嬉しい事してやりたいのに。
情けないけど・・・
上手くリードしてやられへんし、
満足させてやれるかも自信ない・・・」


あかん。

もう身体中のどこかしこからも、
蒸気が出そう。


やのに、
章大、振り返って。
俺をじっと見るねん。


「きみくん、ほんま？」


「うん。
ずっとな、ほんまは章大んこと、
ひとりじめしたかってんけど・・・
勇気なくて」


「・・・俺、俺なっ、
きみくんの好きは、
俺ん好きとは違うんかなあって。
不安やってん」


「ごめんな？
恥ずかしいて、言われへんかった」


「そんなん、恥ずかしいないのに」


「いや、章大の前では、
カッコつけたいやん」


「へへっ」


「・・・やからさ。
章大のして欲しい事、
一つ一つ教えて欲しいねん」


「それ、・・・めっさ、恥ずかしいぃ」


「けど、言うてくれな。
分からへんし・・・」


「きみくんと、
・・・素肌でくっつきたい。
おっきな胸で、抱きしめて欲しい。
そんだけでもええん」


章大、言うてから、
照れてきたんか、
また、布団の中に隠れてく。


「ちょ、隠れたらあかんって」


俺も、追っかけてって、
同じ布団に潜り込む。


子供がじゃれ合うみたいんなって。

４→←２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す