俺だけの天使

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「物欲しそうな顔して。
大毅は何して欲しいん？」


「意地悪、せんとって、
とも、早く、」


「早く、何して欲しいん？
言わな分からん」


「とも、またいじめる」


「いじめてへんやろ。
大毅が何して欲しいか聞きたい」


恥ずかしがりの大毅はよう言わんやろぅて、
思い込んでたのに・・・


「ともに、キスして欲しい」


素直なお願いに、

胸、撃ち抜かれて、

動かれへん。


「とも。ちゃんと言うたのに。
なんでしてくれへんの？」


無垢な表情してんなあ。

俺の色に染めたい。

俺も大毅の色に染まって、

二人で溶けてまいたいな。


「大毅の声小さくて聞こえへんかった。
もっかい言い」


「嘘や。ちゃんと言うたもん。
とも、意地悪してるだけやぁ。
なんでいじめんの？」


大毅が涙ぐむ。

なんていう、可愛い生き物なんやろうか。

俺のこいびとは。


「大毅が悪いねん」


「なんで？」


「可愛い過ぎるから」


「おっ、れ、可愛いな、」


最後まで言わせへんかった。


唇をさらって・・・

もっと深く繋がり合って。


痺れるような、甘さを教えてあげたい。


俺から離れられへんなるように。


「ともっ、はぁ、っ」


「キスだけでこんな感じんの？
息、苦しそうやで」


「嫌やあ。
恥ずかしいから言わんとってやぁ」


照れて、長い腕で顔隠す。


「大毅、それ、逆効果や」


「え・・・？」


煽ってるようにしか見えへんやろ。


「めちゃくちゃにしたなる」


「とも？」


大毅が期待と不安の入り混じった顔で、
俺を見つめてる。


「ベッド行くで。
その前に二人でシャワー浴びよか」


大毅のジャケットをすとんと床に落として。

それから、ネクタイに手をかける。


するすると擦れる、布の音が、

否応なく、心を昂らせる。


シャツのボタンを外してく。


引き締まった身体が綺麗で。

息を飲む。


無意識のうちに、そっと、指で撫でてた。


「大毅、鍛えてんな」


「実は運動好きって、最近知ってん。
ともと出会ってから」


「そうなん？
大毅、運動神経ええのに」


「昔は眼鏡邪魔やったし、
自分に自信なかってん。
けど、お腹たるたるやったら、
ともに嫌われる思って・・・」

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