俺だけの天使

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「俺は、今も、
今の方が、もっと。
シゲのこと好きになってもうてる。
友達なんか嫌や。
もっと特別な関係になりたい」


びっくりし過ぎてもうて、
答えなんかすぐに浮かばへん。

ちょっと横向いたら、
俺を包むように抱いてる、
神ちゃんの切なげな目と目が合うて、
慌てて、横向こうとしたら、

ほっぺた、掌で包まれて・・・


ぐいって、強引に神ちゃんの方、向けられた。


「シゲが好きや。
友達やなくて、
ちゃんと、俺と付き合って欲しい」


コクコクって、うなづくだけが精一杯で。


そんな俺を見て、神ちゃんは、
くしゃあって笑った。

苦笑い？

なんか、ふって、目を細めてん。


その表情、かっこええなあ、て、

見とれてたら・・・


ふわんて。

甘ったるく、唇が触れて、

ちゅ、って、優しく唇を、はまれた。


じいいんて、胸が痺れてる。


これが、俺のファーストキスやて知ったら、

神ちゃん、どう思うんかな。


引いてまう？


離されてから、まだ呆然としてる俺に、

神ちゃんが、


「・・・シゲ？
どした？嫌やった？ごめん」


ちょっと困った感じで、聞く。


「うっ、ううんっ。
全然っ、嫌とちゃう。
ご、ごめん。俺。
やり方、間違えとったんかな？」


慌てて聞いたら、
神ちゃん、
ちょっとぽかんとなって。

それから、くぅって、声にならん声あげて。


むぎゅうって、きつく抱きしめてくれた。


嬉しいけど、
ほんまはな、もっかい、
ううん、いっぱい、キスして欲しい。


気持ち良さに、溶けてまうかと思った。


けど、どうしてもそんなん言うん、
恥ずかしいから。

じっとしてたら、
今度は、おでこに、ちゅってしてくれた。

寂しいな。

２８にもなって、
キスしたん初めてやてばれてしもたから、
もうしてくれへんのかな。


しゅんとしてたら・・・


「あかんて。
そん顔。ほんまもんの天使かっ。
もう、俺、壊れる」


そんな声が聞こえたか、思ったら。


今度はさっきなんかより、

もっともっと、甘ったるい、長い、長い、

キスしてくれた。

さすがに、これは息が苦しい。


「今のは、あかん、苦しい」


必死で逃げてる俺に。

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