俺だけの天使

２ ページ50

思いっきし詮索するようなことを聞いてもうた。


「あー、ごめんごめん。
不安になっちゃった？
仕事で２回会って、
それから個人的に、
一度だけ」


岸さんはあっけらかんとしてはるけどさ。


「こ、個人的に・・・です、か」


なんちゅうパワーワード。

嫉妬心がむくむく湧いてくる。


「そんな泣きそうな顔しなくても。
ちょっと飲みに行っただけで。
別に、」


岸さんが答えてる途中で、
ドアが軽くノックされた。

誰！？って身構えてたら、
ともが一旦、楽屋に戻って来てん。


岸さんが、わざとらしく、


「仕事の電話だ。
ちょっと失礼します」


言うて、そそくさと出てく。

残された、ともと二人。


ステージ衣装のともは、
きらきらが半端ない。

家で寛いでる時とは、
別な人に見えるぐらいに。


そのカッコのまんまで、
畳の上に上がって来て、
俺の前に座る。


「大毅。
岸さんとなん、話してたん？」


「ともが、岸さん、こ、個人的に、
飲み行った話」


あかん。

めーっちゃ嫌味な言い方してもうたやん。


「ごめんごめん。
先週の撮影の後な、
他のスタッフさんとマネージャーと、
みんなでちょっと飲みに行ってん。
話してなかったっけ？」


「聞いてないし」


普通にしてたいのに、出来へん。

自分がこないに嫉妬深いやなんて。


「大毅、もしかして、やきもち妬いてんの？」


ともは、ちょっと含み笑いしてるねん。


「そんなんと違うし。
とも、もうすぐ本番やろ？
戻りぃや」


「まだええよ」


とも、俺を抱きしめようと腕を伸ばしてくれたのに、
素直になられへんかって、
そっぽ向いてしもた。


けど、そのまま、背中にぎゅって抱きつかれた。


「大毅のやきもち妬いたん、
初めて見た」


俺の胸ん中はぐっちゃぐちゃやのに、
ともは、ちょっと嬉しそうに言う。


「やきもちなんかとちゃうもん。
けど、内緒は嫌や」


「ごめんって。
深い意味ないねんて。
言い忘れてただけで。
淳太と、はよ、より戻して欲しい一心やったからさ」


「・・・」


「大毅、こっち向き？」


優しく耳元に囁かれて、
ともの方、振り向いたけど、

唇噛んで、俯いてる。


「大毅だけやで？
よそ見なんかしいひんから。
ほんまは分かってるやろ？」








✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨


ここで移行になります。

続きもよろしくお願いします💖

俺だけの天使。2では、

青桃のお話もスタートするので、
是非是非ご覧下さいませ💖

この小説の続きへ→←１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す