俺だけの天使 ２

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「お、俺は、そういうん、疎いから。
ともから言うてくれな分かれへんもん。
俺の何があかんのかちゃんと言うてや」


大毅は悪くない。

悪いのは全部、嫉妬深い俺で。


やのに素直にならへん。


「大毅、俺んことなんか分かろうとしてへんやん」


あー、もお、最悪。


「そんなことないもん。
俺、俺は・・・ぐすん、ぐすっ。
・・・俺、ちょっと出てくる」


大毅、涙で声詰まらせてさ、
玄関に逆戻りしてもうた。

焦って、ゲームぶち切りして追いかける。


「大毅！待てって！
こんな夜中にどこ行くん？あいつんとこ？」


「あいつって？」


「河本先生に決まってるやん」


「・・・うん。そうする。
いつでも来てええって言われてるし」


「大毅、それ、マジで言うてんの？」


「・・・」


「なあっ、聞いてるやろっ！」


感情抑えられずに、壁にドンって手ぇついてもうて。


腕ん中で、大毅が、ビクッと肩を震わせた。


俺んこと、怖がってるやん・・・



「ごめん。
けど、あの人、下心、見え見えやから。
心配やねん。
大毅は分かってへんけど。
男なんか急に変わるねんからな？
何されるか」


「とも、何言うてんの？
河本先生はそんな人ちゃうよ。
俺のことも、
同じ分野を研究する後輩として、
可愛いがってくれとるだけやし。
そんな侮辱するようなこと言わんとってや！」


「必死で庇って。
そんなにあいつが好きなん？」


「やから、そんなんちゃうって！
世の中の人みんな、
恋愛ばっかりしてるんちゃうねんで？」


「悪かったな、恋愛の事ばっかりで」


大毅が俺をそうさせたのに。


「別に、そんなこと言うてへんやん」


「大毅は俺との恋愛なんかより、
夢や将来のが上や思てんねやろ？
もう、ええって。好きにすれば」


掴んでた大毅の腕、離してしもた・・・



ドアが閉まる。


ずるずると、玄関に崩れ落ちてく。


自己嫌悪で消えてしまいたい。


嫉妬って、この世で一番醜い感情、

一番大切にせなあかん相手にぶつけてしもた。



泣かせて、傷付けて。


大毅、もう俺んとこには、戻って来てくれへんかも。


怖くて、怖くて。


がたがた震えてる・・・

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