俺だけの天使 ２

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「けど・・・
西畑さんと付き合うてるんかも」


「それは聞いてみな分からへんやろ？」


「聞いてそうやって言われたら、再起不能なる」


「そしたらまた、俺の胸で泣いたら、ええから」


「・・・濱ちゃん、なんでそんなええ男なん」


「やっと気付いた？」


俺が負担にならんように、
冗談言うてさ、俺に手を差し出す。


「望、帰ろっか」


その手を取って、歩き出した。


濱ちゃん、ありがとう。


何回言うても、足りひんよ・・・















流星の手がけるブランド、
エトワールの、


新作お披露目発表会が開かれた。


他のブランドも協賛の大掛かりなイベント。


神ちゃんが言うてた通り、
客席には重岡くんの姿も見える。


流星に好きって言われたら、

俺もって言うって決めてから、


早くも１０日が経過したけど、


そんな機会、一回たりともなかった。


別に出くわさへんわけやないねん。


相変わらず、
ジムでもコンビニでも帰り道でも、

しょっちゅう鉢合わせる。


淡々と話すことはあるけど、

流星、一切、


好きとか、そういう意味合いのこと、口に出せへん。


前はしょっちゅうやったように思てたけど、
それも俺の勘違いやったような気までしてきた。


せめて、仕事では認めて欲しい。


流星が、
社運を賭けて俺らを起用したとまで言うてくれてんもん。


俺らを選んで良かったって思って欲しい。



本業は歌って踊るグループやからな、


モデルの仕事なんて、
メンバーの中で俺以外したことなくて。


みんな緊張してるみたい。


「ライブやと思って、
お客さんを魅せるつもりでやれば大丈夫」


流星が見てる思うだけで、
自分かって上がりに上がってるくせに、

アドバイスなんてしてしもた。


まずはセンターの涼からステージへと。

それから、神ちゃん、照史って続いてく。


最後に、俺。


ライトとカメラのフラッシュの光に晒される。

拍手と歓声。


流星が俺のこと、真っ直ぐに見つめてる。


ステージの先端まで来て、

ポージングして、
最高の笑顔を作る。


俺も、流星の役に、少しは立てたかな。


頑張った時はいつも、
流星に褒めて欲しくなる。

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