俺だけの天使 ２

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車かもしらんから、青のスポーツカーも要チェックや。


しばらくしたら、

流星の青のスポーツカーが、
目の前を横切った。


よし！


俺もコンビニ出て、家路を急ぐ。


ここから２分。

きっとエレベーターで会えるはずや。


素知らぬふりで、マンションに着いて。


エレベーターホールに向かう。


そこに、流星の背中が見えて。


俺もう、駆け出しかけてた。


やけど・・・


隣の西畑さんの笑顔が、
目に飛び込んできて。


膨らんだふわふわした気持ちは、一気に萎んでしまった。


「流星んちで、飲み直しやね。
ワイン結構持って来れた。
この量だと朝までかかるかもね」


流星を見上げながら微笑む顔は、
彼氏に甘えてるようにしか見えへん。


いつも、社長呼んでるのに、今は，流星。


二人は付き合うてて、今からお家デート？


そろそろっと後退りしてったら、

ドンって、背中、誰かにぶつかった。


「うわ、望か」


濱ちゃんやねん。


「濱ちゃん、お帰り」


俺も今帰って来たのに、変なこと言うてもうた。


「望もお帰り」


濱ちゃんは優しくて臨機応変な人。


西畑さんと流星が俺らに気付いてしまった。


「あ、お二人もこのマンションなんですよね。
小瀧さん、濱田さん、今日はお疲れ様でした」


にこって微笑んだ顔が、可愛ええて。

もも色に見えんこともない。


「お疲れ様でした」


なんとか声を絞り出す。


折悪く、エレベーターがきてしもて。


四角い箱の中に、４人。


見たくない、目を背けたい。


７階に着いて、
濱ちゃんと別れて、
自分の部屋に駆け込んだけど。


真上に、流星と西畑さんがおるねんもん。


心が落ち着くわけもない。


今頃、おしゃれな紙袋に入ってたワインを開けてるはずや。

西畑さんに手料理でもしてもらってんの？


美味いな、って、鼻の下伸ばしてさ。


それから、キスなんか・・・


もう無理っ。


鍵だけ持って、部屋を出たら、

ちょうど出て来た濱ちゃんと、
また顔付き合わせた。


「望、大丈夫か？」


「濱ちゃん・・・」


涙が溢れる。


子供みたいに、わんわん声あげて泣きたい。


そんぐらい、傷付いてる。


「濱ちゃん、俺・・・」


「望、行こか」

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