俺だけの天使 ２

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別に俺のことなんか本気でも何でもないくせに。


からかわれて、振り回されて。


あのキスの後かって・・・


「望のファーストキスもらった。
ほんまの幸せ者やな，俺」


そんな殺し文句で誤魔化そうとしてきた。


なんで初めてやて決め付けてんねん、
違うし！って、嘘ついたっけ。


やのに、さっきも純情とか、言われて、


なまじ、図星に近いから、余計に腹立つねん。


これ以上、一緒におるんは、毒や。


「濱ちゃん、俺、そろそろ帰ろかな。
濱ちゃんも帰らへん？」


「ああ、うん。せやな。
重岡くんと神山くん、
キッチンでイチャコラやり出したしな」


「そうなん？」


「そうやねんて！
照史は平気らしいけど、
俺はもうソワソワやってんて」


「ふふ、濱ちゃんらしいな」


甘えて，大好きな濱ちゃんにくっつく。


せや。ええ考えが浮かんだ。


濱ちゃんを彼氏ってことにすればええんちゃう？


そこに、流星が、のんびりと帰って来た。


「望、マフラー忘れてるで」


いうてさ、俺の首に巻いてくるねん。


いつも、瞳の奥に、吸い込まれそうになるから、
目を逸らす。


「ありがと」


また不覚にもお礼なんぞを。


「あ、流星、紹介しとくわ。
メンバーには内緒やから、
みんなの前では言いにくかったけど、
濱ちゃん、俺の彼氏やねん。
濱ちゃん、実はな、
流星は、昔の、モデ、」


ル仲間、まで言われへんかった。

あいつが被せて、


「望の元彼です」


言うもんやから！


「流星っ、なんで嘘つくねんっ」


あかん、コイツの思う壺やん。


「ぷっ、すぐムキになるとこ。ほんま可愛えねんから」


クソクソクソクソ。


「えっと？どういう？」


濱ちゃん、もう、目を白黒。


そらそうよな。


「今彼さん。
俺、負けませんから。
元彼は嘘やけど、
好きやったんはほんまやし。
ファーストキスの相手は俺なんで。
奪います」


流星、なんか知らんけど、変な宣言しよるねんて。


茫然自失中の濱ちゃんの代わりに。


「奪われへんわっ。マジでうざいねん」


俺が答えといた。


「望はほんま、つれないなあ。
けど諦めへんからな？」


笑窪見せて、片頬で笑うてる。


あの頃みたいに。

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