俺だけの天使 ２

おまけ。１ ページ3

緑side


大毅と一緒に暮らし始めて、ひと月。


今が一番、甘々なはずやのに。


すでに倦怠期？ってほどの、
生活リズムのすれ違いっぷり。


最近の大毅、めちゃめちゃ忙しそうやねん。

ちっとも俺に構ってくれへん。


本音では、寂しいてたまらんねんけど、

彼氏として、そんなん言うんもな、

カッコ悪いやん？


あー、けどな・・・

俺な、今、３連休中やねんで？


ちょっとは俺のこともにも、
意識向けてくれたらええのにな・・・


「大毅、あんま根詰めると、
身体壊すで？」


パソコンに向かってる大毅にココア持ってく。

チラッと覗いたら、

英文がだーって、

ほんまもう、だーって、並んでるねんて。


「大毅、これって、大毅が書いたん？」


恐る恐る聞いてみる。


「ん？うん。そやけど？」


「な、何が書いてあるん？」


「今やってる研究結果と、
それから予想される、展開みたいな？」


「なんで英語で書くん？」


「論文は基本全部英語やねん」


「ぜ、全部・・・」


あかん、思考停止しかけた。


「どうしたん、とも。
瞬きせんと、目ぇ乾くよ？」


「あ、ああ。
ごめん、邪魔して」


「ううん。
はよ書き上げてしまいたいねん。
そんでな、これが認めてもらえたら、
助教なれるかも」


「それって、めっちゃ偉い人なんちゃうん？」


「ううん。
准教授とか教授みたいに凄くはないねんけど、
今みたいな貧乏学者からは脱出出来ると思う。
このチャンス、絶対に逃したくないねん」


そんな無理せんとって欲しいけど・・・

けど、邪魔するような事は、
言うたらあかんよな。


「あっ、資料がない！
とも、俺、ちょっと大学行ってくるな！」


「お、おお・・・
行ってらっしゃい」


キスするタイミング逃したやん・・・









外は爽やかな春空が広がってる。

絶好のデート日和。


スニーカーの踵踏んだまんまで、
大毅は飛び出してった。

こうなったら、
研究室に泊まりで、
２.３日帰って来えへんいうんは、
この一か月で俺も悟った。


で、代わりに言うたら何やけど、
同じくオフの、
メンバーの望を呼び出してしもた・・・

２→←４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す