俺だけの天使 ２

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「・・・もちろんや。
めっちゃ嬉しい。
これからは淳太に相談とか絶対になしやで？」


「うん、分かってる。
とも、やきもち妬いてまうもんな」
　

ちょっと、得意げになってもうた。


「生意気な子にはこうしたる」


ともがちゅって、短いキスくれる。


はあ。


溶けた。


衣装のジャケットのポケットんとこ、
つい、ぎゅって握ってしもて。

慌てて離す。


「ご、ごめん。
シワなってまう」


「大丈夫や。
それ気にして、大毅、
さっきからギュって抱きついてこおへんの？」


「うん。
一番カッコええ、ともでステージ上がって欲しいもん。
けど、ステージ降りたら、
俺だけの智でおって欲しい」


素直な気持ち、言葉にしたら。

俺もやけど、智も真っ赤なってさ。


「ほんまに、大毅は」


そこで、急にぐいって引き寄せられて、
ともの腕に倒れ込む。

俺の頭の後ろに回った手のひらに、
おでこ、ともの肩に押し付けられて。

きつくきつく抱きしめられた。


「ちょっ、ともっ、やから、衣装が、」


「大毅だけの俺になるから。
もう一緒に暮らせへん？」


声が重なって・・・


びっくりして、慌てて離れて、
ともの顔を見た。


夢？と、ちゃうよな？


「俺、真剣やで？
もう大毅のこと、どこにもやりたないねん」


「とも・・・嬉しい」


あかん。

目の前がぼやけて。


泣いたらあかんのに・・・


「大毅は泣き虫やなあ」


「なっ、泣いてへんよっ」


無理して笑った、俺の頬に、
ともが手を伸ばす。


「いつもこの笑窪見たいから。
俺の隣で笑っといて」


優しくそう言うた時、


「本番でーす」


マネージャーさんの声とノックの音、
同時に聞こえた。







ステージで踊る、ともは、カッコ良くて、

まるで同じ世界に存在してるのが不思議な程に、
綺麗過ぎて。


めっちゃ遠く感じてた。


そう、まるで、雲の上に暮らしてる、天使のような。


けど、ひとたびステージを降りれば、

ここに一番に帰って来てくれる。


・・・俺だけの天使になって。


そんで、大好きな笑顔で俺を呼ぶねん。


大毅、って。






終わり。

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