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<猟師は歓迎されました>


<狩るモノがいれば>


<必然的に狩られるモノがいたからでした>


<勇者は嫌われました>


<狩るモノがいれば>


<必然的に狩られるモノがいるからでした>



とある童話にはそう書かれていた


「ま、そんなファンタジーな話
あるわけ無いんだけど」


「最後の最後で夢壊すなよ」


「確かに勇者なんていないけどさぁ」


「読み聞かせはどこ行ったんだよ馬鹿共」


「「「あ」」」


彼らの目の前にいる園児達は


体育座りを崩してつまらなさそうにしている


今日は年に一度の園児が遊びに来る日だった


「えーっと」


「心治己のパペット劇〜!!」


「俺ぇ!?」


「どんどんパフパフ〜!」


矢葉兎がパペット人形を押し付け


人志が盛り上げ役をする


心治己はしどろもどろになりながら


パペット人形を動かし声を当てていた


時期に園児達が移動する時間になり


3人に休憩時間が出来る


「お゛え゛ぇ゛!!ゲホッゲホッ」


パペット劇で喉を酷使したせいで


心治己はずっと咳をしていた


それを見た二人はゲラゲラと笑って


水を差し出す


「ありがと……ゲホッゲホッゲボッ」


「どうした!?」


「誤嚥ってやつか!!」


「ウ゛ン゛…喉が…」


誤嚥とは


水を飲むとき肺にいってしまう現象こと


噎せたお陰で


心治己の喉はさらにガラガラになる


二人も心配してきていた


そこで人志は担任に向かって手を合わせる


「神様仏様神藤様!!
どうかこいつにのど飴をください!!
この後も子供の世話なんですぅ!!」


「神藤先生な」


懇願するその頭を軽く叩く


「確か職員室に置いてたハズだ。
取ってくるから大人しくしてろよ」


「「「せんせぇ!!」」」


3人は目を輝かせた


「いや何でお前ら二人も食ってんだよ」


「えーだって先生、
舐めろと言わんばかりの数
持ってたじゃないですか」


「お前らの好き嫌い激しいんだよ。
何をよしとして食うのか分からん」


そう言う担任の手には


飴のゴミが3つ握られている


「はぁ」


「せんせー
溜め息なんてついちゃダメっすよ〜」


人志が笑って言った


「幸福が逃げるって言うもんなー」


「いやそれはないわ」


「それは違うじゃん。
矢葉兎のってくれてたじゃん」


「いやいやぁ」


「……はぁ」


担任は何度目か分からない溜め息を


また一つついた


そろそろ


園児の元に行かなければ

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作者名:僕っ子くん | 作成日時:2023年12月15日 8時

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