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汚れた愛を春に謳おうページ23

はるらんまんの微妙に続き
未成年の飲酒は禁止ですご注意

　

悪い事しよう？なんて誘われて迷う彼女を友達という呪縛にも近い言葉で引きずり込むのは簡単だった。

「ふあ……まん、ちゃん？」
「本当にアルコールに弱いなあ」

赤く染まった頬にかかる髪を耳にかけると、彼女はくすぐったそうに身をよじる。

「ん、う……」
「な、"わるいこと"、した気分はどう？」
「わかんない……おさけ…のんじゃった…わるいこ…？」

潤んだ瞳で不安がる子供のようにこちらを見つめる彼女。
ああ、どうしてそんなに純粋で。

「…そう、Aちゃんは悪い子や」

壊してしまいたくなるのだろう。

「ふ、あ…」

手首を掴んで唇を重ねるとぴく、と彼女の身体が震えた。されるはずの強い抵抗は、どうやらアルコールと一緒に揮発してしまったらしい。

「きす…はじめて、なのに、…そんな」

目をより一層潤ませた彼女は弱々しく首を振った。告白も無く奪われたファーストキスは存外彼女を傷つけたようだった。

「言ったやろ？俺は淫らな恋の方が好きやって」

そのままベッドへ押し倒せば瞳に怯えの色が混じる。強くなる抵抗にここまではお酒でも誤魔化せんなと諦めて彼女に耳寄せる。

「Aちゃんは悪い子やな」
「え…？」
「お酒飲んで、こんな風に俺を誘って」
「う…ちがう、よ…」
「何も違わへんよ。Aちゃんはアイツと清純な恋なんかできへん」
「っ…！！」
「な、やから悪い子のAちゃんは…

…こんな悪い俺と一緒に、堕ちよう？」

もう一度キスを落とすと、彼女は諦めたように目を閉じた。
閉じる際に一滴だけ伝った涙は、どうしようもなく綺麗だった。