37. 透ける金色 ページ37
結局私たちはグルッペンの働くホストクラブに来ていた。理由は簡単で、グルッペンが家にいなかったから。
安否確認と話し合いができたらとここに来たんだけど…
「なんで大先生がここにいるんですかねえ」
「それはこっちの台詞やで、とんち。」
入り口に出てきた店長さんとトントンが鉢合わせ、なぜか睨み合いを始めてしまった。
「あのー、お2人ともお知り合い、ですか？」
「知り合いも何もこいつがあのガバ書類出したやつやで」
「そのガバ計画を実行した隊長さんに呪いをかけました部下なんすよ」
「そうなんですか…」
「じゃあ僕仕事あるんで。それじゃ！」
世界は狭いな…と現実逃避を始めたくなる。あまりこの場にいたくないのは店長さんも同じようで店に引っ込もうとするがその腕をトントンが掴む。
「ちょうどええ機会や。大先生、話したい事があんねん、付き合ってくれるよな？」
「はいぃ…あ、いや、仕事が…」
「付き合ってくれるよな？返事ははいかイエスや」
「…ハイ」
呪いをかけた、という言葉に警戒していたがなんだろう、ギスギスした空気が全くない。むしろ緩い。本当に禍根が残っているんだろうか。
呆れたのか安心したのかトントンがため息をつく。
「何十年も渋っとらんと、もっと早く行けばよかったわ。」
「僕は来て欲しくなかったです〜」
「あ？」
「しゅみましぇえん！何でもないですぅ！」
「なにやっとんねんお前ら。」
店の奥から聞き慣れたバリトンボイスが聞こえた。その次に照明の光に晒されて煌めく金色を視認する。
「あ…グルッペン…」
「A…」
暫しの沈黙。お互い見つめ合ったまま動けなかった。
それは全くロマンチックなものじゃなくて、蛇に追い詰められた蛙のような気まずいもの。
その硬直を破ったのは店長さんで、
「じゃあ僕ととんちは話し合うんでお2人は店のスペースお好きに使ってな！それじゃ！」
「大先生気持ち悪」
さっきまで逃げ腰だった店員さんは逆にトントンと腕を組んで店員用スペースに入っていった。
残される私とグルッペン。
「…俺たちもとりあえず座らないか？」
「…うん。」
空いたテーブルに向かい合うように座る。向かい合っているのにお互い目は合わせられなかった。
「……」
「……」
「ねえ、」「なあ、」
「「……」」
「先に、言わせてくれないか。」
「…いいよ」
「すまなかった。」
はっとして顔をあげると、今まで見たことのなかった真摯な黒い瞳がこちらを射抜いていた。
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身長100m - いや。普通に大好きです。結婚しましょう (2021年1月3日 14時) (
レス) id: baba500277 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ(プロフ) - 頑張ってください…いつまででも待ってます (2020年3月6日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ゆっ家族 - もう、うるっときちゃったじゃないですか。何ですかこの作品。最高すぎます。こんなの、評価満点以外選べないですよ。設定も、物語の進み方も、全部好きです。呪いのことやメンバーとの関係、過去についても惹かれるものばかりです。これからも応援しています (2018年5月12日 11時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃよーるど(プロフ) - ミーさん» 再びコメントありがとうございます〜！ 完全に趣味で月光を選んだのでイメージが伝わって何よりです笑 やっと仲直りです、が、だいぶ展開が遅いと思いますので期待せずお待ちください、、 (2018年4月14日 22時) (レス) id: 50cd7cd971 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 更新ありがとうございます。月光を弾くグルさん…!想像しなくても優美な感じがしますね(笑)仲直りをした主とグルさんがこれからどうなってくのか楽しみです(^-^) (2018年4月8日 17時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃよーるど | 作成日時：2018年3月10日 19時
