26. 想到 ページ26
「俺はお前が好きだ。これからの人生を共に過ごさせてくれないか。」
私の肩を掴んで堂々と向き合って言い切ったグルッペンの瞳は揺れ動いていて、酷く弱々しく感じて思わず下を向いてしまう。
今拒絶してしまったらグルッペンが崩れてしまいそうに見えて、
「私は……」
ーーーでもな、一番やっちゃいけないことがあんねん。
Aちゃんが一番やっちゃいそうな事やねんけどな、と苦笑した後真剣な顔でシャオちゃんは言った。
ーーー同情で関係を持つ事や。誰も幸せにならへんで。
「……ごめん。」
「そうか。それがお前の答えか。」
冷たい声にはっと顔をあげる。
少し見上げたところにあるグルッペンの顔は、飼い主にも、愛しい人にも向けられるような表情ではなくて。
こちらを見つめる黒い瞳は、残酷な事に私を捉えてはいなかった。
「…え、」
足元がガラガラと崩れていくような冷たい感覚。さっきまでの弱々しく見えた彼は、談笑していた彼は、一体、もしこれが全て計算ずくだったとしたら、
突然グルッペンの事が怖くなった。
「っ！嫌だっ…」
肩に置かれた手を振り払い、闇雲に駆け出す。恐怖でぐちゃぐちゃになった頭は正常な判断などできなくて、目の前に眩しい光が迫ったときにはもう遅く、
「Aっ！」
後ろから抱き締められ、引き寄せられる。
目前を車が掠め、心臓が嫌な音を立てた。
それを落ち着けるように後ろから伝わってくる体温。私を掴んだその手は震えていて、
「お…お願いだ、いなく、ならないでくれ…」
その声までもが弱々しく震えていた。
崩れてしまいそうな、震えるその手を掴む直前にフラッシュバックするように思い浮かぶ冷たい目。
その弱々しさも、さっきの彼も、全部あの冷たい目がきっと本当で。
「ーーーーーー嘘つきっ！！」
震える彼を思い切り突き飛ばして、再び衝動に任せて走り出した。
信じたくなかった。グルッペンはあんな冷たい表情なんてしない。嫌だ。受け入れたくない。
限界が来て立ち止まるとお誂え向きにも雨が降ってくる。
体を濡らしていく冷たさの中に頬を伝う熱に気づく。
「これじゃ私が捨て犬みたいだ」
自暴自棄になるなんて馬鹿馬鹿しいと思っていたのに、体を濡らしていく雨にも頬を伝う涙にも何もする気になれなかった。
しばらくそうしていると目の前に影が差し、冷たい雨が遮られる。
「お嬢さん、何してはるんですか？」
振り向くとそこにはーーー
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身長100m - いや。普通に大好きです。結婚しましょう (2021年1月3日 14時) (
レス) id: baba500277 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ(プロフ) - 頑張ってください…いつまででも待ってます (2020年3月6日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ゆっ家族 - もう、うるっときちゃったじゃないですか。何ですかこの作品。最高すぎます。こんなの、評価満点以外選べないですよ。設定も、物語の進み方も、全部好きです。呪いのことやメンバーとの関係、過去についても惹かれるものばかりです。これからも応援しています (2018年5月12日 11時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃよーるど(プロフ) - ミーさん» 再びコメントありがとうございます〜！ 完全に趣味で月光を選んだのでイメージが伝わって何よりです笑 やっと仲直りです、が、だいぶ展開が遅いと思いますので期待せずお待ちください、、 (2018年4月14日 22時) (レス) id: 50cd7cd971 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 更新ありがとうございます。月光を弾くグルさん…!想像しなくても優美な感じがしますね(笑)仲直りをした主とグルさんがこれからどうなってくのか楽しみです(^-^) (2018年4月8日 17時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃよーるど | 作成日時：2018年3月10日 19時
