13話 ページ13
あ、容疑者も前方の警察車両に気がついた。
向こうは笠井と山田さんがはさみうちするのか。
ん？
「来るな！」
やばい。拳銃？モデルガン？
市民がたくさんいるところでこんなことされたら大混乱になる。
あ、でも、藤さんと川合ちゃんと源さんが市民の誘導してる。
『落ち着いてください。そんな物騒なもの使っちゃだめですよ。お話しましょう。』
「話すことなんてねえよ。これはモデルガンなんかじゃない。3Dプリンターで作った本物の銃だ。」
どうしようかな。本物よりも性能は悪そうだけど、多分弾は出るんだ。
ん？
笠井がアイコンタクト送ってきてる。
もう少し左に避けろってこと？
もしかして、拳銃持ってる手を撃って確保するつもり？
だとしたら気付かれないようにしないと。
『何があったのか教えてくれませんか？』
「話してもどうせわかんねえよ。ブラック企業に勤めてるエンジニアの気持ちなんて公務員にはわからねえ。」
『エンジニアさんなんですね。私も情報系の学部卒業してるので少しは分かりますよ。C言語とjavaなら。』
ちょっとずつ心を開いてきた？
これなら撃たなくても私との話に気を取られては隙に確保できそう。
「納期をどんどん前倒しにして、あの会社は俺たちのことなんて全然考えてない。だから、殺してやったんだ。」
『辛かったですね。私もよくシステム開発の期限を前倒しにされることがあるんです。せっかく良いアルゴリズムで効率がいいものが作れるはずなのに、間に合わないから変更しなきゃいけなくなって。』
今なら行けそう。
笠井がカウントしてる。3,2,1
「確保。」
「おい、離せ。裏切ったのかよ。」
『裏切ってません。あなたの罪が重くならないようにしたいんです。』
痛っ。ナイフ袖に入れて隠し持ってたんだ。
「ダメですよ。こんな物騒なもの持ってたら。」
「東雲さん、代わります。」
あ、源さん。
『ありがとうございます。』
「ほら、行くぞ。現行犯逮捕。」
「A、大丈夫？いや、大丈夫なわけないか。」
『大丈夫大丈夫。署に戻ったら医務室行ってくるよ。』
ちょっと切れただけだし。
「バカ。エンジニアみたいな仕事多いんだから、手は大事にしろよ。ほら、行くぞ。」
『あ、うん。』
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みおな - Candydarlinさん» ありがとうございます！嬉しいです。拙い文章ではありますが、今後も温かい目で見守っていただけたら嬉しいです。 (2021年10月4日 7時) (
レス) id: 432915db26 (このIDを非表示/違反報告)
Candydarlin - 私もハコヅメにハマって、夢小説待っていたので、面白いお話を書いてくださって嬉しいです！更新待ってます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page13 id: c58da712a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みおな | 作成日時：2021年9月17日 12時
