とあるショーケース ページ11
JK▼
ショーケースは大盛況だった。
新曲を歌って踊って、armyと話して。
防弾少年団として、ミスひとつなくこなした。
瞬きするように移り変わるフォーメーション。
聞こえてくるヒョン達の息遣い。
たくさんの煌めくアミボム。
そんな中、薄暗い会場で俺は見つけてしまった。
『…』
見つけてしまった。アミボムを振るarmyたちの中、ひとりこちらを見つめる少年を。
「え、ぁ、…」
ワンテンポ遅れてしまったのを必死に取り戻す。
とりあえず一曲終えて、シュガヒョンがMCしている間に俺の異変に気づいたホビヒョンがこっそり話しかけてくる。
JH「ジョングガどうした?なんかあったか?」
「あそこ、ホビヒョン、見てください…」
JM「なに?どうしたの?」
恐る恐るその方向へ指を向ける。
こんなの、予定にない。
困惑を抑えようと必死に動揺を隠す
JM「え、…」
ジミニヒョンも気づいたようだ。
それが誰か、俺は瞬間的にわかった。
よく見えなくても直感がそれが誰かを教えていた。
金のブロンド、真っ白な肌、くりっとした目。
黒いマスクをしていても、それはしっかり分かる。
記憶の中の姿とほとんど変わっていなかった。
溢れそうになる涙を必死に堪えた
『!』
僕達が見ているのに気づいたAは、急いでその場をあとにしようとする。
「スタッフさん!あの子、あの金髪でイケメンな男の人を捕まえてください!!」
「えっ、あ、はい!」
「急いで!早く!!!」
armyにきこえないようにスタッフさんに伝えた。
なんで逃げちゃうの?
逃げないでよ、A…。
会いに、来てくれたんでしょう?
『わっ…!』
遠くでスタッフさんがAをうまく見つけて、この子ですか?と俺達にアイコンタクトを送る。
俺は何回も頷いた。
armyの間ではざわざわと話す声が聞こえたが、シュガヒョンとナムジュニヒョン、ブイヒョンが上手くMCをして抑えてくれた。
SG「何があった?」
シュガヒョンが小さな声で聞いてきて、俺はシュガヒョンの耳に手を当て答えた。
“Aが、ショーケース見に来てた”
まもなく曲が始まり、また俺達はアイドルに戻ったが、もうすっかりarmyのことは頭になかった。
思うのは「早く会いたい」ということだけ。
早く終われ、と初めて思いながら、一心不乱に踊り続けた。
。
745人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白鳥彩(プロフ) - すごくおもしろいです!是非パスワードを教えてください。これからも応援していきます! (2023年1月2日 13時) (レス) id: 14f3399da6 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - すごく、おもしろいてす。是非パスワード教えてもらいたいです。これからも大援してます✨頑張ってください。 (2022年3月20日 15時) (レス) id: 94a9bcecb9 (このIDを非表示/違反報告)
キチ(プロフ) - パスワードを教えていただきたいです! (2020年6月23日 23時) (レス) id: a660e3d78b (このIDを非表示/違反報告)
ふくちゃん - 最高の作品です!ぜひ続きをよろしくお願いいたします!! (2019年2月13日 23時) (レス) id: caf3a9e48f (このIDを非表示/違反報告)
パボ(プロフ) - とてもいい作品でした…(泣)そして次の作品のパスワード教えていただいてもいいでしょうか?? (2019年1月5日 8時) (レス) id: c5856a50f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おるか | 作成日時:2018年2月22日 22時