想いが過去に変わって -8- ページ9
想いが過去に変わって -8-
いつも通り李々ちゃんとご飯を食べた後家に送り届ける途中、今日はもう少し一緒にいたいという気持ちが抑えられなくて、
「ねぇ、李々ちゃん。」
と呼び止めると、李々ちゃんは首を傾げて振り返った。
「このあと、俺ん家来ない？」
そう言うと李々ちゃんは目をぱちくりさせるから慌てて、
「変な意味はないよ！ただもう少し一緒にいたいから！」
と弁解すると笑われた。
「それは分かってるよ。ただ、私もそう思ったから。」
お邪魔してもいいですか、と改まって言われたので俺も改まって、はい、と言った。
二人で家に入って、李々ちゃんをリビングに通す。
「あ、適当に座って。」
「うん。ありがと。」
俺は散らかっている荷物をとりあえず部屋の端っこに寄せて、李々ちゃんが座るスペースを作る。
李々ちゃんは部屋をくるりと見渡した後、ある場所で視線が止まった。
「癒しが欲しくて観葉植物買ってみたんだ。」
「可愛いね。」
李々ちゃんはそう笑ってテーブルの前にちょこんと座った。
「なんか飲む？大したものじゃなければ食べ物もある。」
お構いなく、という李々ちゃんの言葉を聞きながら俺はキッチンに向かう。
李々ちゃんは俺の家に来てくれるほど心を許してくれたのかな、なんて思いながら李々ちゃんを見つめていると目が合った。
「どうかした？」
「い、いや。なんでもない。」
映画でも観る？と慌てて言うと李々ちゃんは目を輝かせて頷くから、俺は慌てて飲み物と家にあったお菓子を全部持って李々ちゃんの隣に座る。
「お菓子いっぱいだね。」
「あ、お腹いっぱいだった？」
「斗真くん、私を侮らないでくれるかい？」
甘いものは別腹なのさ、と何故か男の人のような声を出してチョコをつまむ李々ちゃんがやっぱり好きだなって思った。
ー想いが過去に変わって
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だんだん近づくふたり。
お題配布元::確かに恋だった
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作者名：しゃち | 作成日時：2016年10月26日 12時
